「地球上で自分だけなんだ、こんなの」

小さな田舎で育った自分は、ずっとそう思っていた。

いつか愛する人と結婚して、子どもや犬がいるような家庭があって、
そのうちに疲れたね～ってシワシワの手を取りながら旅立っていく。
人生ってそんなもんだと思っていた。

ただ、その相手が男性なだけだった。

よくある”普通”の夢を見ているはずなのに、願うほど遠く、かなわない現実。

でも少しずつ大人になり、社会や世界が広がるたびに、
自分が自分らしくいてもいいこと、
同じような夢や、同じようなさびしさを分かち合える人がいると知った。

自分だけじゃなかった、”ひとりぼっち”じゃなかったと思えた。

数年前の誕生日に、勇気を持って家族に自分のことを伝えた。
どんなに家族であっても、人と人が理解し認め合うって、単純になかなか難しい。
それに、無理にすべてを理解してもらう必要もないのかなって。

それでも、自分の中で歯車が大きくまわり始めたのが分かった。

いつか都会や田舎や、何かの括りに関係なく、お互いを認め合うことが普通になって、
地球上で”ひとりぼっち”がいなくなるといいな。
そして「地球上で自分だけ…」
その意味が輝かしいものであり、「Only one」であると誇りを持てる世界になると信じたい。