OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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DAVIS KEENAN COLBY

デイヴィス キーナン コルビー (左)

27歳
翻訳者
アメリカ合衆国 デトロイト出身
ゲイ

#012 2017年11月撮影

わたしは男が好きな男です。自分のこの性質に目覚めた時は戸惑いました。何故かというと、為になる情報は簡単に手に入らないし、周りに相談できる人も一人もいないからです。

特にキリスト信者である大人の親戚から同性に恋愛感情を持つことは不潔だと言われてきたので不安で仕方がありませんでした。

ですが、ずっと支えてきた誰よりも信用できる両親なら大丈夫!そう思って親に打ち明けることにしましたが、ガッカリしました。
中1の事でした。親に恋愛対象のことを話したわたしに返ってきた答えは「でもまだ若いんだからそれが本当の気持ちかどうか分からないでしょ?」、と。

完全に否定している訳ではないけど明らかに寛容に受け入れてくれるつもりはないみたいだし、むしろ男好きじゃないほうが嬉しいのが丸見え。そんな親の気持ちを守る為にもそれ以降は話さないことにしました。
わたしにとってカミングアウトは難題です。打ち明ける相手をうまく選択できなければ人生がめちゃくちゃになるもの。今でも親やほとんどの家族にちゃんとカミングアウトしていないし、100%信頼できる人じゃないと絶対に話しません。

だからOUT IN JAPANの企画に参加しようと恋人に言われた時は正直戸惑いました。親しい人にも言えていないことをこんな派手にさらけ出すなど無理!

でもやはり難題であると共に、カミングアウトは自分の社会の一員としての立場を主張する機会でもあります。他人の反応を恐れずに生きるチャンスです。そして、そんな自分の姿を見た誰かももっと堂々と生きる勇気を貰えたらなあと思っています。

NATSUKI UTSUMI

内海 夏樹 (右)

28歳
会社員
千葉県出身
バイセクシュアル

#012 2017年11月撮影

僕にとってのカミングアウトは『もっと人と仲良くなる手段』であると思っています。
27歳の誕生日。今まで流されっぱなし・ごまかしっぱなしの人生だった僕は「これからは自分に正直に生きたい!」と覚悟を決め、親しい友人や今後出会う人に、なるべく自分のセクシャリティを偽りなく伝えることにしました。何故かというと、自分について本音で話すことで、より人と深く繋がりたいって考えたから。
当初はおどおどしながらのカミングアウトでしたが、周囲の反応は意外と上々で、今までよりもっと仲良くなれた友人もいました。それを続けているうちに、ちゃっかりパートナーもゲットできちゃいました(笑)
とはいえ、良いことばかりではありません。
セクシャリティを明かしたことで心ないことを言われたり、アウティングされるなんてよくある話。
また、僕自身の性自認としてはバイセクシャルなのですが、同じLGBTの仲間からの「中途半端!」「それはゲイだと認めて無いからよ!」いった厳しい意見とも向き合わなければなりません。
それに、実は親兄妹・親族に未だ言えていないのです。残念ながら、自分のセクシャリティに対する認識や覚悟は、まだまだ足りていないのかもしれません。
それでも。自分の気持ちを自分の口から正直に話すことでしか、自分のことをキチンと理解してもらったり、味方を増やしていける手段はないと思うのです。
今回、その勇気をもらえたOUT IN JAPANという企画に出会えて、僕は本当に幸運だと思っています。
大好きな彼と一緒に写っているポートレート。
これを通じて自分の姿を見てもらうことで、誰かの心に何かを残すことができたらいいな。