OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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AKANE KURESAKI

呉﨑 あかね

36歳
教員
富山県出身
MTX/パンセクシュアル

#020 2019年9月撮影

私は8年前、自分はXジェンダーであると確信し、両親と弟にカミングアウトしました。
弟は弟で、いろいろと生き方に悩んでいたことを、そのとき初めて知りました。私は自分の経験を踏まえて、「ダメな自分を変えようと思うなら、その時点での自分を否定しても何も始まらない。いっそ受け入れてしまえば楽になるよ」と励ましました。
しかし、両親は結局、受け入れてはくれませんでした。今までたくさんの愛情を注いでくれたことに関しては、本当に感謝しています。しかし、それは私が男性であり、しかもこの家の長男であることが大前提だったのです。
それよりも、私には一生をかけて守りたいと思える大切な人ができました。この家にいてはパートナーを守れないと思った私は、家を出ました。
その人には、私のセクシュアリティをカミングアウトしたうえで、交際し始めました。理解してくれたかどうかはわかりませんが、「それでもあなたと一緒にいたい」と言ってくれたので、私は夫としてその人と入籍しました。
今、とても幸せです。私のすべてを認めてくれる人がそばにいてくれるから。

私は「先生」と呼ばれる仕事をしています。子どもたちに「ありのままの自分でいいんだよ」「夢と希望を持って生きよう」と言っている私自身が、ありのままの自分を隠していることに、モヤモヤした想いをずっと抱えてきました。
今はまだ男装で働き、休日に女装することで何とか乗り切っていますが、将来的には女性の格好で働きたいと思います。子どもたちが夢と希望を持って社会に出ていける世の中をつくるためには、私自身が隠してはいけないという想いが、日に日に強まっています。このことは決して性的マイノリティに限ったことではありません。私自身がありのままの自分を子どもたちに見せることで、子どもたちを励ましたいと考えています。
私は今後も教壇に立ち続けていきます。子どもたちがありのままの自分で生きられますように。