OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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NOBUKA KAWASHIMA

川島 暢華

47歳
文筆業
神奈川県出身
MTF/レズビアン

#020 2019年9月撮影

時代が移ろい、風潮が変わったと感じます。
LGBTをテーマにしたテレビ番組が増え、行政による取り組みも広まりつつあります。
世間一般のLGBTに対する理解が進んでいると思います。

とはいえ当事者にとってはカミングアウトするには抵抗があります。

カミングアウトできないハードルは何?
家族?両親?職場?同級生?隣近所?
要因や障壁は人それぞれでしょう。

でも、最大のハードルは、自分自身の勇気だと思います。

LGBTという言葉が使われるようになったのは2000年台になってから。
それまでは某バラエティー番組の「保毛尾田保毛男」に代表されるように、バカにされる対象であり蔑まれた目で見られる存在でした。

私が青春時代を過ごした頃は嘲笑と蔑視の時代。
戸籍上の男性が女性装をするにはお笑いでしか許されない空気感。変質者であり危険人物であるというレッテルを貼られるのではないかという恐怖感。スカートを履いて街を歩くだけで通報されるのではないかとすら思っていました。

カミングアウトするかしないかは人それぞれですが、隠すことで息苦しさがあるのであれば、もう無理をしなくてもいい時代になったと思います。
同世代のMtF仲間とは、「私たち生まれる時代を間違えたよね」と笑いながらよく語り合います。LGBTに対する社会の眼差しと理解度が昔と今では全然違うからです。

私は長年、当事者間以外では自分がLGBTであるということを一切秘密にしていましたが、つい最近信頼できる人たちへ恐る恐るカミングアウト。意外とすんなり受け入れてもらえたり理解を示してくれたりし、心の重しが軽くなりました。
「仕事先のトイレどうしよう」「友達が離れないかな」「温泉入れない!?」
さまざまな不安がよぎりましたが、さまざまな課題や問題は後からその都度考えればいいかと開き直りました。

そこで気づいたことは、カミングアウトの最大の障壁は仕事先や周囲の目などではなく、自分自身の勇気を振り絞れるか否かということ。
さまざまな人間性を受け入れようという世相。怖がらなくても大丈夫だと。

誰もが気兼ねなく自分らしく生きていけますように♪
悩んでいるみなさん、一緒に頑張りましょう!