AIKO USUI
うすい 愛子
31歳 |
北区議会議員 |
神奈川県出身 |
レズビアン |
はじめて自分のセクシャリティに気がついたのは高校生の時。
それまで自分はヘテロセクシャルで恋愛に淡白なのだと思い込んでいた。恋愛小説を読んでも何がいいのかさっぱり分からず共感できずにいた。
そんな私がその頃初めて女性と付き合ってモノクロだった恋愛観が一変。色彩鮮やかでビビットな世界に変わったのだ。
「わたしもこんなふうに恋愛をするんだ」
と新しい自分に出会った瞬間だった。
自分の本来の恋愛に出会った私は無敵モードだった。怖いものなんてなかったし、世の中すべてが私を祝福してくれているように感じた。私の脳内はお花畑だったのですぐに友人にカミングアウトした。“ふつう”に受け止められた。
それが私の初めてのカミングアウトだった。
そんな私にとってカミングアウトがいつからだろう、少し身構えるようになってしまったのは。
きっかけなんてわからないくらい、世の中はまだ偏見や差別に基づく発言が蔓延っていた。
私にとってはこんなにもこの恋愛感情は“ふつう”だったのに。
政策の柱も、私の想いも、ジェンダーやセクシャリティが大きくかかわっているにも関わらず、私は自分の背景を半ば隠したまま議員になった。
この約3年間、私はまるでアライかのようにLGBTQの政策を進めた。当事者なのに。
仕事をするうえでもどかしくて仕方がなかった。
そんな中で改めて気がついた。
私はカミングアウトしてくれた人たちにいつもエンパワメントされて、勇気づけられてきた。
私が今できることはアライのふりをして、仕事をすることではないのではないか。
このアウトインジャパンの企画はずっと、大学生のころから見てエンパワメントされてきた。RENTも大好きだった私は「いつか私も」との想いを抱えていた。
まさか7年越しになるとは私自身思わなかった。
それくらい、今の日本の社会はまだLGBTQへの差別や偏見がある。
それでも、自分らしく生きることを私はあきらめたくないし、多くの人にあきらめないでほしい。
私は、私たち当事者がカミングアウトをいつでも安心してできる社会にしていきたい。
本当にありのままで私たちが生きられる平等な社会を少しでも早く実現したい。
きっとこうした一人ひとりのカミングアウトの姿が、パワーが世の中を変える。一緒にがんばっていきましょう。私たちは決して一人ではないから。