haruki sogata
曽方 晴希
26歳 |
販売員 |
熊本県 |
FTM |
#005 2015年11月撮影
俺にとってのカミングアウトは
人生という世界の枠を広げ、前に進むための手段の一つです。
10代の頃、何もかもが恐怖に感じ
もういいよね?
と、前に進むことを諦め、死のうとしたことがある。
もう楽になりたい…ってね。
でも、死ねなかった。
その度に、泣いて、苦しくて、母を憎んだ。
憎みながらも、わかってもらいたくて
泣きながら、震えながら書いた
母宛の手紙が初めてのカミングアウトです。
怖くて面と向かって言えなかったから手紙を書いた。
渡して数日間、何も会話がありませんでした。
あー、やっぱりダメだったんだな、と考えていた
そんなある時、母から話を切り出されました。
手紙を読んで混乱し、祖母に相談をしたこと
その話を聞いた祖母が言った言葉で、母は受け入れられ、こう言ってくれたました。
「ごめんね。手紙読んでどうしていいかわからんくて
お母さん、婆ちゃんに話したと。
そしたら、あんたが小さい頃から
わかっとったみたいよ。
いつか、この子は言ってくるって。
あんたは、私の子に変わりはないとだけん
自分の人生、自由に生きていいとばい。
どんなことがあっても、なるようになる。」
この言葉で、やっと解放され
前に進むことが出来ました。
それを機に、1歩ずつ前進。
父・兄妹・友達・職場の人へと話せるようになりました。
カミングアウトしたことで、切れてしまった縁はあるが
驚いた人も、驚かなかった人もいたり
呆気ない反応だった人もいたりした。
「前から、なんとなくわかってた。」
「話してくれてありがとうっ!
今日から、1人の男としてみるから。」
「それで?あんたに変わりはないんでしょ?」
と、色んな形で受け入れてくれました。
まだ、話していない友達もいます。
昔も今も話す度に、あっ、どうしよう…
って、一度迷い、止めようかなって考える時もあります。
それでも、後押しするのは
負けるな!勇気を出せ!進むんだっ!
という気持ちです。
今の自分がいるのは、理解してくれ
受け入れてくれた人がいたからこそ
1歩踏み込み、前に進むことが出来た。
仲間が増える度、勇気が増える。
それぞれ置かれている環境は違うと思います。
ただ、俺はこう考えている。
あなたは、周りの人と同じ「人」なんだと。
違いはあっても、「人」としては同じなんだと。
なんの枠もない、自由な世界であってほしい。
偽りのない、本当の自分でいてほしい。
1人でも多くの人の笑顔が、世界中に広がることを願っています。