OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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masahiro higuma

日隈 雅博 (左)

28歳
自営業
福岡県
ゲイ

#005 2015年11月撮影

「カミングアウトなんてしなくていい」

そう思ってた。

そんな僕が今ここでカミングアウトをするなんて夢にも思わなかった。

小学校の時に男性に目がいく自分を異常だと感じた。

「いずれ時間がたてば治る病気なんだ」と自分を否定していた。

いろんな出会いを通じ、少しずつ自分を受け入れていけた。

でも、周りには嘘をつき続けている自分を受け入れる方法がどうしても見つからなかった。

そんなもやもやな気持ちを救ってくれたのが数々の出会いの中にあった今の彼との出会い。

「彼氏を紹介するね。」

28年かかってやっと言えた言葉。

その言葉を聞いて

「もっと早く言ってくれればよかったのに」

と受け入れてくれるみんな。

本当にありがとう。

sunao kawamura

河村 直 (右)

20歳
学生
大分県
ゲイ

#005 2015年11月撮影

生きていて良かった。今そう思う。

どうして同性が好きなんだろうと悩んだ事は正直あまり無かった。

だけど小学生の頃からストレートの友達を好きになっても想いを伝えられず苦しんだり、周りの何気ない言葉や行動にビクビクしたり傷ついたりはした。

学校では教えてくれない。家でも教えてくれない。自分が何故同性が好きなのか、それが悪いことなのか、普通の事なのか。先生ですら『ホモ』なんてワードを使って同性愛をネタにする。

だから自分で答えを探しに行動した。でもそれはきっとその時、周りの大人や友人に打ち明けられていたのなら絶対止められていた行動だった。身体や心、その時唯一自分の事を知っている自分を自分で傷つけていた。

でもその時は必要な逃げ道だったんだとも思う。

今は母や昔からの友人達にカミングアウトしている。『お前らしいよ。』とみんな受け止めてくれた。少し『それってどういう意味?笑』なんて思ったけど十分有難いし嬉しかった。

話しがずれるけど、4年前に兄が自殺した。彼は子ども好きで娘もいて、いつも明るくポジティブな人だった。

亡くなる一週間前まで一緒にいたのに、何も気づく事ができなかった。言い訳かもしれないけどその時自分の事で精一杯だった。

『ごめんなさい。』もう一度会えたら彼に謝りたい。

自分にとっては何気ない時間でも、誰かにとっては全てを終わらせる時間でもある。当たり前の事だけど、僕は失って気づいた。2度と戻らない命に。

もしカミングアウトするのなら、それはとても誇らしく、きっと自分自身と誰かを助けます。例え受け止められ無かったり、酷い言葉が返ってきたとしても、決してそれが自分の全てだと思ったりしないでください。難しいけど、どんな風に見られようが言われようが、自分が自分らしくいる事はとても美しいし尊い事です。

そしてきっとそんな貴方を見て、必ず誰かは勇気をもらって、明日に辿りつく事ができると思います。