OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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miki komesu

米須 美紀 (左)

40歳
自営業
沖縄県
FTX

#005 2015年11月撮影

2011年は私にとって記念すべき年になりました。

母は私にこう言いました。

「今日はあなたの二つ目の誕生日よ」と。

「一つ目は私があなたを生んだ日。そして2011年5月14日はあなた自身が選んで得た新しい自分が生まれた日」

この日は私が胸を切除した日です。

母は切除したい旨を相談した時も「足の悪い人は足の手術するでしょう?内臓が悪い人は内臓の手術するし、同じ事よ。解決できる方法があるのならそうしなさい。ただし病院だけはちゃんと精査してね。も~、早く言えば良かったのに~」と

少々拍子抜けしながらも母らしい答えに「やっぱウチの母ちゃんかっこいいなー」と泣きながら思いました。

思えば、20歳頃にカミングアウト(というか当時の彼女との関係がバレた)した時も「今のご時世、偏見とか差別があるかも知れないけど、何かあったらお母さんが全力で守ります」というこれまたかっこいい手紙をもらいました。

父と弟に「実は手術しました」と報告した時

も父は「美紀は他の女の子とは違うかなと思っていた。勉強不足でよく分からないけどあなたの良いようにしたらいい」(その後、父はメディアにLGBT関連があると教えてます。)

弟は「知ってたよ。でも姉ちゃんがそうゆう(セクシャルマイノリティーである)事で他にそうゆう人がいても偏見持たない自分でいれて良かったと思う」

嗚呼、なんて素敵な家族。

私みたいに大きく構えなくてもカミングアウトできる事はそんなに多くないかも知れない。

カミングアウトする事が全ていい事とも思わない。

でもこの「OUT IN JAPAN」というプロジェクトで少しでも多くの人の偏見が無くなり、自分を無理に隠して生きていく人が少なくなればいいと思います。

miho ogiwara

荻原 美穂 (右)

26歳
自営業
埼玉県
レズビアン

#005 2015年11月撮影

カミングアウトは急いだり焦ったりしなくてもいいと思います。自分のペースでいいのです。そしてカミングアウトした相手に必ず理解してもらえなくてもいいのです。自分のことを理解して受け入れてくれる人は必ずいます。たとえ理解してもらえなくても相手は少しでも興味がわいてくるのではないでしょうか。こんな自分もいるんだよ!という事がわかってもらえるだけでもいいと思います。カミングアウトは本当に本当に勇気のいる事です。でもその一歩で明日からの住む世界がいい方向に変わっているかもしれません。