JUN KAWAI
河合 純
32歳 |
自営業 |
東京都出身 |
FTM |
#011 2017年10月撮影
ぼくのカミングアウトは、18歳のときでした。
『どうせ誰も分かってくれない。』
そんな想いを抱きながら家族や友人たちに、
『自分は男なんだ。男として生きていく。』と、
手から溢れ出す汗を握りしめながら伝えたことを
鮮明に覚えている。
当時のぼくは自分が女の子である、
その事実を墓まで持って行くつもりだった。
だが人生は長い。
『どうせ誰も分かってくれない。』
その気持ちは人の出逢いで変化していった。
ありのままの自分を大好きなひとたちにさらすことで
性同一性障害であるぼくを障害者ではなく、
ふつうの人と変わらない個性であると伝えてくれた。
たくさんの人がぼくの存在を認めてくれた。
怪物だと思った自分が人間になれた。
自分が自分のことを好きになれて、
ようやく自分を受け入れることができた。
そして自然に自分のことを話せるようになった。
過去が女の子でなければ、
出逢える人も就く仕事も違った。
そう考えると、
ぼくの人生は面白い。
だから、これからカミングアウトをしようと思う人へ。
カミングアウトは、とても勇気がいること。
相手の反応が気になるし、
いまの関係が壊れてしまうのではないかって
すごく不安にもなるもの。
でも、大丈夫。
どんなに時間がかかってもあなたを受け入れてくれる人や
この世界は感じているほどにとても身近で、すぐそばにある。
偽ることや恐くなることなんてない。
【あなたのまま】がいい。
それはとっても素晴らしいこと。
その素晴らしさが人の輪として、
これから先の世界へ広がっていくのを心から願っています。
最後に、ぼくが自分でいられるのは、
出逢ってくれたすべての人のお陰です。
ありがとう。