OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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YOSHINORI SATO

佐藤 慶宜

32歳
派遣社員/タイ式マッサージ師/占い師
北海道出身
MTX

#011 2017年10月撮影

私がカミングアウトした理由が、身も蓋もないですが、
『大学卒業間際に、どんな仕事なら勤められるかわからなくなって、迷いに迷ってニューハーフさんのお店で働こう』
と、思って働く許可を得る流れでカミングアウトした。
なんです。
(結局、その店では働かないことになりましたが)

ですので、どの程度お読みくださる方の参考になるだろうと思いながら筆を執ってます。

私がお伝えしたいことを最初に申しますと、LGBTであることに関係なく生きられる相手や勤め先、その他居場所は、探せばどこかにはあります。
(後述しますが、それは、LGBTであることで甘やかされない、LGBTだからを逃げ場に出来ない場所でもあります)

カミングアウトの話の続きをしますと、当時の私を振りかえると、LGBTであることと、自分自身への自身のなさによる不安で、いっぱいいっぱいでした。

その後、LGBTと関係ない職場をいくつも経験し、関係ある職場も一回経験しましたが、社会人として生きていくうえで大切だったのは、LGBTである自分以前に【まともに仕事をこなすこと】でしかありませんでした。

その課程で、プライベートの友人知人で私がLGBT当事者であることを知る人も出ましたが、その人たちはLGBTであることをほとんど気にしなかったです。
しかし、同時にLGBTであることで甘やかすこともしませんでした。
LGBTであることが、なんの言い訳にも逃げ場にもなりませんでした。
ただ、私がどんな人間であるかだけを見られましたから。

私は、縁を紡ぐ人との出会いに恵まれたのかもしれません。

つぎの誰かの勇気あるカミングアウトに送るエール

に、ついてお話しさせていただくなら……

【LGBTうんぬん以前に、人としての魅力と思いやりがあり、思慮深くある人】
になるようご自身を磨いていけば、LGBTであること関係なく、誰かの心にとまり、あなたの声に耳をかたむけてくれると思います。

逆に、酷なことを申しますが、
「LGBTだから~~出来ない」
「まわりが変わってくれたら、LGBTでも生きていけるのに」
だけで、思考と行動が止まってしまうと、自分の幸せを作る力と可能性を放棄してしまうことになります。

なぜなら、
「自分の幸せは、他人によってもたらされるもの」
と、いう他人ありきの自分になってしまうから。
目の前の人が、今日ほほえんでくれても、明日もほほえむかは相手次第です。それを、私たちの都合で操作することは出来ません。

同時に、私たちは
「LGBTであることに、理解と協力を必要としている」
と、いう権利(言論の自由)がございますが、逆を返すと、
「LGBTというものがわからない、理解出来ない」
と、いう権利も向こうにあるんです。
(それを理由に、こちらの基本的人権を損なうような言動をしたり、迫害してくきたらまた別な問題になりますけれど)

ですので、もう一つつけ加えますと、
【自分の幸せを自分で見つけてください】
誰かのいう、誰かに左右されるものではなく、あなた自身であることで幸せになれること。
そんな生き方、どこかにないだろうか?
そんな目線を、少しだけでもいいので持って、この社会を生きてみてもらえたら、時間はかかってもなにか今までとちがったものが見つけられるかもしれません。