OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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TOSHIKI YAMA

山 利樹

33歳
自営業
山口県出身
ゲイ

#011 2017年10月撮影

僕は両親にはカミングアウトしていないが、姉と一部の友人にはカミングアウトをしている。

両親はこてこての古いタイプで、父は亭主関白、母はその様子を三歩下がって見守りながらついていくタイプだ。

僕はとても大事に育てられてきたからこそわかる。

僕がゲイだと知ったら、70を過ぎた両親はとても悲しみ、育て方を間違えたと悔やむだろう。

同性愛に理解がないといういうよりは未知の道を歩む我が子をただただ心配するのだと思う。

いたずらに人を不安にさせることを嫌う僕は、そういう結果は全く望んでいない。

だから、両親の生きた時代はそういう時代だと思う僕は、両親にカミングアウトをしていない。

しかし、今を生きる僕らの世代は、「性」というものに対して概念が大きく変わり、多様なものとなってきている。

変化する世代だ。

この時代はきっとまだまだ続くだろう。

正しい知識と偏見が何度も衝突しながら、相互の理解を深めていくのだと思う。

毎年ゲイバーに20歳の子がくる。

毎年毎年、ニューフェイスが不安でいっぱいな顔で背中を丸めながらドアを開ける。

これは視点を変えるとゲイになるかもしれない子が毎年産まれているということだ。

僕の知人の子供が同性愛者として産まれてくるかもしれない。

そのとき、彼らが親として子供とどう向き合うのか。

今は変化の時代だから、理解のある親と理解のない親で分かれるだろう。

子供はどちらを望むだろうか。

そう考えると、僕という存在は助けになるのではないか。

そう、僕にとってカミングアウトは未来へのプレゼントだ。

カミングアウトをするか悩んでいる人も、その意味を見失って立ち止まっている人もいると思うけど、もしカミングアウトをするならば、その成功とそれをきっかけに楽しいことがあることを祈っています。

御精読ありがとうございました。