OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

MAYUMI JUASA

壽浅 真弓

53歳
ラーメン店経営
北海道出身
FTM

#011 2017年10月撮影

私の生まれ育った街は、自然豊かな農業が中心の街、富良野です。
人口も多くはなく、一歩外へ出ると知人と出会い、少し歩くと親戚に出会ったりと、何となくこの土地ならではの繋がりの中で生きてきました。
それは安心感でもあり、時には、緊張し身構える瞬間でもありました。
自身のセクシャリティの事で、相手に不快感を与えるのでは。。と、いつも緊張していました。
学生時代の出来事でした。
「女が女を好きだなんて、気持ちが悪い」「病気じゃないか」「変態」。。
「気持ちが悪い」この言葉に胸をえぐられる様に感じた私は、このままだと母親や妹、身内までにも迷惑をかける事になるのではと思いました。
それはあってはならない事であり、とても辛い事でした。

どうすれば良いのか、何か方法はないのだろうか。。
一生懸命考えているうちに、もうこれはセクシャリティを超えて自分というオリジナルを作って行くしかないと思いました。
LGBTという言葉もまだない10代の頃でした。
私自身が自を律し、外見の性別はどうであれ、ぶれなければ周りを巻き込まずに自分らしい生き方が出来る。
そう信じていました。
FTMですが、これが私の自然体です。自身が臆する事なく、セクシャリティを認識出来る様になってからは、以前の様に男性の部分を強くアピールする事はなくなりました。
フォーカスするのは他人ではなく自分。気付くまでに随分時間がかかりました。

今回カミングアウトに至ったのは、自身が歳を重ねた事で周りに迷惑をかけずに済むのではと思った事と、時代の風が背中を押してくれた様に思います。
いつも息を詰めていた私が幸せを感じ、心穏やかでいられるのは、富良野の自然と、理解ある母親と優しい妹、叔父、叔母、そして心豊かで温かい素晴らしい友人達のお陰です。
感謝の気持ちでいっぱいです。

これからカミングアウトをしようと思っている人、したくても事情があり出来ない人、しない事を選択する人、まだ何も考えていない人、皆さん人それぞれだと思います。
もしもあなたが傷ついていて、これからまた傷つく事があったとしても、それはあなたの中で優しさという宝物になると、どうか信じてください。
きっと笑顔となってあなたの周りに溢れて、あなたを包んでくれると、私は信じています。
全てのマイノリティの方へ。。
いつも応援しています。