kohei katsuyama
勝山 こうへい (右)
39歳 |
シンガーソングライター(元警察官) |
大阪府出身 |
ゲイ |
昨年の春まで16年間、京都で警察官として勤務していました。
コロナ真っ只中の一昨年、心身に支障をきたし、適応障害と診断を受け休職を余儀なくされました。
休職当初、ノーと言えず仕事を何でも引き受けてしまう性格からバーンアウトしてしまったのかなと思っていましたが、休職中に内省をしていくうちに、職場でGAYであることを隠し続けなければいけないストレスが根底にあることに気づきました。
しばらく、復職に向けて療養生活をしていましたが、自身のセクシュアリティを隠し続けたまま警察組織で心身共に健康に働くイメージが持てなくなり、退職を決意し、退職後はGAYであることを隠さずに、ありのままの本来の自分で生きたいと思い、昨年末に10年寄り添ったパートナーとともに東京に移住し、新たな生活をスタートさせました。
カミングアウトについては、これまでの職場の仲間や友人、家族にリアルでのカミングアウトは今もしていません。
リアルでのカミングアウトは、前向きな答えが返ってこない可能性もあることや、一か八か、ギャンブルのような感覚が僕にとっては苦しく、そこにエネルギーを注ぐことはやめ、パートナーとともにYouTubeやSNS発信を中心に間接的にカミングアウトすることにしました。
結果、元職場の仲間や友人、理解を示してくれた方々から嬉しい声が届くようになり、今振り返ってみても、これが僕にとって最適で安全なカミングアウトの手段だったなと思います。
カミングアウト前と後の世界は僕にとっては全くの別物で、「居場所がある」「頑張っても頑張らなくてもどんな自分でもここにいて良いんだ」と思えるようになりました。
警察官を退職した今、LGBTQ当事者が頑張ってカミングアウトしなくても良い社会を作りたく、微力ながら多くの方にLGBTQについて正しく知ってもらうための活動(音楽活動やLGBT講演活動etc)を始めました。
因みに、僕のパートナーは元消防士です。
警察官、消防士にも当たり前にLGBTQ当事者はいます。
どんな職業にも、当たり前にLGBTQ当事者がいるんだということを可視化できたらという想いで、社会全体が「当たり前」になるまで、これからも警察官であったことを名乗り続けていこうと思います。
近い将来、日本でも現役の警察官や消防士がプライドパレードを歩ける日が訪れますように。
Kaneshige Hirata
平田 金重 (左)
35歳 |
YouTuber(元消防士) |
京都府出身 |
ゲイ |
自分が同性にも惹かれると認識したのは、高校卒業した18歳ぐらいの時。
当時はLGBTという言葉もなく、日本社会では当事者を特別視し、メディアではゲイを揶揄したり変態扱いをしていたように思います。
自分自身の事を受け入れる事が出来ず、20代半ばまで自己否定をし続けていました。
24歳の時にパートナーと出逢い、一緒に暮らし始めると、カミングアウトをしなければ支障が出てくる事も多く、苦しみながらもこの人なら『大丈夫』と思える人に少しずつカミングアウトをしていきました。家族や友人、同僚、時には上司にまで。
今振り返るとなぜ、当事者である自分が恐怖と闘いながら多くのエネルギーを使いカミングアウトをしなければならなかったのか?
思い返すと憤りを感じます。
現在、30代半ばとなり10年寄り添ったパートナーと幸せな毎日を過ごしています。
しかし、生まれ変わってもLGBT当事者として生まれたいか?と聞かれると、答えは「生まれたくない」です。
ただ、それは当事者個人の問題ではありません。
日本社会の問題です。
一定数の割合で当事者が存在することが当たり前の事なのに、当事者が頑張らないといけない社会はおかしい。
オランダが同性婚を認めたのは20年以上も前。
生まれた国が違うだけでこんなにも違います。
自分の国籍やセクシャリティを選んで生まれてくる人はいないでしょう。
自分で選んでいない事で差別を受けたり、不都合が生じる社会に問題があります。
僕達は何も悪いことをしていません。
今日に至るまで様々な方々の活動や発信のおかげで、今、僕はYouTubeなどで「ゲイ」である事を言える時代になりました。感謝しています。
いつか ではなく。一日でも早く。
同性婚が当たり前になったり、LGBTという言葉がなくなりますように。
カミングアウトなんてしなくても良い社会になるように、僕はカミングアウトをし続けます。
僕はここにいます。