KOJI OOTA
太田 幸志
34歳 |
接客業 |
沖縄県出身 |
FTM |
#019 2019年8月撮影
「生まれ変わってもまたこの自分で生まれたい」
そう思っています。
自分は周りにとても恵まれています。
職場や上司、友達、親族、ホルモン注射や乳腺切除手術で女性から段々と男性的になっていく自分を責める人も無く、自然に接してくれています。
カミングアウトも自分からしていきます。
見た目ではあまりバレることが無いですが、元々「彩乃」という名前で女性で生きてきた時間も自分の人生の大切な時間で、その時間がなければ今の自分ではないと思っているからです。
カミングアウトした中で一番、つらいものだったのはやっぱり母へのカミングアウトでした。
離婚しているので、父親もなく一人娘として育ててくれた母は、きっと将来は自分が結婚をして、子供を生んで孫の世話をしたりするのを楽しみに育てていたと思います。
そんな母に自分の心は男なんです、と言うのはとても親不孝だと思いました、今でもそう思って生きています。
カミングアウトした当時は、色々ありましたし、すぐには受け入れることもなかった母ですが、今ではどんな場所に居ても力強く隣に居てくれています。
親不孝な生き方だとは思いますが、受け入れてくれた母の為にも、周りの人達の為にも、そして自分の為にも、一生懸命に生きて精一杯にこの生き方で堂々と進んでいくことが、きっといつかは親孝行になると信じています。
今からカミングアウトしていく方へ
「する方はカミングアウトをしたらゴール、される側はそこからがスタート」
母に言われた言葉です。
すぐには受け入れてもらえなくても、あなたがカミングアウトした勇気にいつか光が当たる日が来る。
急がなくても、立ち止まってもいいと思う。自分を信じて、周りに流されず、カミングアウトは環境によってもタイミングが全然違います。
あなたのタイミングを探して、見つかったらスタートしてみてください!
そして、される側にも時間が必要だということも忘れないで。
誰か一人でもこの文章を読んで少しでも力になれますように。