OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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TAKESHI OHSHIRO

大城 壮

20歳
販売
沖縄県出身
Xジェンダー(中性)

#019 2019年8月撮影

18歳の時、私は周囲に「カミングアウト」をしました。
私が小中学生の頃、面と向かって「気持ち悪い」と言われることは決して珍しいことではありませんでした。どうして自分は「普通」になれないのだろう、「普通」を振舞おうと負い目を感じていた時期もあります。
それを裏付けるように、13人に1人という、左利きとほぼ同程度日本に存在するLGBTQの方々。学校の1クラスに例えると2~3人の割合で確かにいるはずなのに、私の周囲には誰もカミングアウトしている人はいませんでした。「LGBTQは最近の風潮で生まれたものでも、自ら選んだ<シュミ>でもなく、どの時代でも、どの国にでも、誰の周りにも存在し、異性愛者の方々と同じように多様な人柄・背景・好みを持っている」という当たり前の認識も示せないでいるのは窮屈だと感じ、友達の一人、また一人とカミングアウトをし、私はそれからすぐに「隠す」ということをやめました。私の周囲の反応は、「そうだったんだね。それで、どうしたの?」とでもいう様にごく普通で自然なものでした。男の子の友達も、女の子の友達も、誰一人私から離れていく人はいませんでした。皆以前と何ら変わらず接してくれています。
私は時々考えます。「もし18歳よりももっと前にカミングアウトをしていたら、皆はこんなに寛容じゃなかっただろう」「もしあと10年早く生まれていたら、自分はとても苦しんでいたかもしれない」と。でもそれは、多くの当事者が思うよりも今日の日本は寛容である、ということの裏返しだと私は思います。
LGBTQであることは恥じることではないし、簡単ではないかもしれないけれど、大切なアイデンティティの一部として誇りを持っても良いと私は思います。いつか「カミングアウト」という様な大々的なことをしなくても、皆が当たり前に暮らせる日本であるように、先ずは見て下さっている当事者の方々が笑顔で生活できることを願っています。