LISA-VIVI
リザ-ビビ
49歳 |
パブスナックのキャスト |
長野県出身 |
MTF |
『そうね…、』
そのことについて、なにもかわりはしない。
これ迄もそうであったように、心ある場所も心なき場所も在るのだ。
『なにもかわりはしないわ。』だけれども。
僕らの【顕】(あかし)を、これ迄たくさんのひとたちが或いは筆舌につくし、また或いはその生き様を世に《晒して》語り尽くしてきたんだものねぇ。
只、あしたに】密【は、あくまで(ひそか)に。
愛する君へ…《エール》になってないかも。
すべてのひとが【わたくし】を受け入れること、期待しなくていい、と僕は思う。
そうそう僕はね、心ある場所と心なき場所をさ、こう…行ったり来たりしながらお金を稼いでいるわね。
心なき場所はそらぁ安っぽくて口汚いけど、お会計さえ済めばこっちのものさ。
そんな…ふてぶてしく生きらんない!ってぇ君はね、−心ある場所− に身をおけばいいのよ。
心ある場所は昔に比べると、幾らか【顕】(あきらか)に…なったわねぇ。
さあ前置きはこの辺で、僕は僕自身の事をお話しするのが一番【実象】に親(ちか)し。
もう半世紀近く《今生》(こんじょう)を諦めて生きてきたの、僕。
『生まれ変わったら』絶対女の子に生まれてこよってさ、この度はそうは言っても、男の子に生まれてきちゃったなーって、がっかりしながらさぁ…生きてきたわよ。
まあねぇ、そんなことばっか考えてた訳じゃないんだけどね。
んなわけで…半世紀よ!半世紀、その間のことは長くなっちゃうから割愛!
で、そんなある時、ふと電車の広告を見てたら《お試しメンズエステ》おヒゲの脱毛他、キャンペーンにつき(初回)通常価格の半額だってさ、ほんと思わず衝動的に《お試し》しちゃったよね、ヒゲ脱毛。
!したらどうよ…、中学生になって以来ずぅーっと僕を苦しめてきた口の周りの《あおみ》がさ、いともあっさり無くなって『綺麗じゃーん!』
ってなわけでさ、まぁそら!嬉しかったよねぇ…。
そんな事よ、そんなんでもぉ急にね、男の子を辞めんのにぃ《来世》まで待てなくなっちゃったの、僕。
やだ!もぉーね、喋りだせばほぉんと、日も暮れるわよね…だからさぁ、ほんと最近のことなのよ。
直接的な手段ってなんなの?とか考えたし…で、実際に《お注射》をはじめてからのエピソードとかぁ(ちっぱいおっぱいのお話し他)、はては先々の夢だとか色々…、ほんと長くなっちゃうから。
なんか素敵なひとが現れて、あんな事とかさ、こんなん優しくされたいな…だとか《艶》(つや)っぽい話しなんかも残ぁん念!ここでは割愛、無念だわ。
どうぞ続きはお店で、眞幸 翆(まさき あをい)とご指名下さいな。
そうだわ!最後くらいはいくらかまじめに、ねぇ…こんな《素っぴんshemale君50歳》だからこそ、あえて言えることをさ。
【少年】が思い立ちて事を成すに《歳》は関係…(なくもないんだけどぉ…)いや!関係ないわ、関係ぇないもの、ね!そうでしょ。
そおそお、そうなの、また全然違うんだけど。
ねぇ…あのね、いま急にちょっと思ったのよ。
僕のお話しを聞いてくれた優しい君が、他ならぬそれありのままの【君自身】こそが、きっと誰かの −心ある場所− になり得るのよ、ね!そぉよねぇ。
おおよぉ!…やっと《エール》風味ぃ?
決まったわね、さあそんでね。
だったら −新しい僕たち− はこの際『自分にはちょっと…』とか、『今更…もう…』なんてぇ《諦念》(ていねん)めいた事はさ、お互い無しにしましょうね。