OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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TAKESHI KINJO

金城 健

49歳
会社員
沖縄県出身
ゲイ

#019 2019年8月撮影

私はカミングアウトをしていない。
母親がテレビでオネェタレントなどがでていると「気持ち悪い」とあからさまに嫌悪感を表す。この人にはカミングアウトできないし、知らないまま人生を終えてほしい。結婚もせず、孫も見せられない私の母への親孝行。
もちろん、同級生たちにもカミングアウトはしていない。
彼らには当時から「おかま」や「おとこおんな」などと言われていたが、いじめにあっていたという認識はなく今でも仲良くしている。飲み会の席でも「たけし!彼氏できたか?」とか「那覇市もパートナーシップ初めたからな!」などと言われたり、みんなは私のことをゲイだと思っての発言もある。もう、ここでカミングアウトして楽になろうと考えることもあるが、認めてしまうと沖縄は人と人の距離が近く、親同士や兄弟同士の繋がりがあるから、そこから母親へ伝わったらと思うとできないでいた。
ここ最近ではLGBTについて企業や学校の取り組みなどが地元でも報道されることも多くなりその事について同級生と語ることもある。また、私の住む那覇市はパートナーシップ制度があり、私の働く浦添市は現在LGBT支援宣言を行っており、性の多様性を尊重する条例制定への動きもある。
今このタイミングなら偏見もなくカミングアウトを受け入れてもらえ、また母親への配慮も聞いてもらえるにではないか。その第一歩としてOUT IN JAPANに参加した。少しずつ、少しずつ私を知ってもらおう。
私のような地域や年代でカミングアウトできずにいる人は多いと思う。その方たちに少しでも勇気を与えられたら。