TSUKASA NAKAMURA
仲村 司
36歳 |
NPO法人職員 |
沖縄県出身 |
FTM |
#019 2019年8月撮影
15年前の祖父のお葬式。親戚へのカミングアウトは突然行われました。
私は体の性を心の性に近づける為に医療の力をかりて変えている最中。
外見はこれまでの親戚のイメージにあった「女の子」から「青年」に変わっていました。
数年ぶりに会う親戚は祖父の死に対する悲しみの中、私の変わりように動揺とショックの態度を隠せませんでした。
10年ぶりに会う叔父からは「俺は絶対に認めない!親戚の恥だ!」と言われお葬式の期間中、一切、口をきいてもらえませんでした。
気まづいまま7年後の法事で再会。
叔父は「数年前はあんな事を言ってしまってすまなかった!今はおまえのようなやつはいろんなところにいるらしいな!俺はいつでもおまえの味方だからな!応援しているから頑張れ」と想定外な言葉をかけてくれました。
どうやら、私がカミングアウトした事がきっかけで、これまではスルーしていた「LGBT」というテーマが気になりだしてきて、ニュースなどに取り上げられると見るようになっていったそうです。
親戚や知り合いが多くて柵の多い地元。
そんな中でセクシャルマイノリティーがオープンに暮らす事は容易なことではないと思います。
それでも、カミングアウトがきっかけで、今より暮らしやすくなる可能性はゼロではありません。一度はぶつかる事も拒絶される事もあると思いますが、時を重ねて、そこからまた新たな関係性の構築が始まっていく可能性だって十分にありえます。
カミングアウトはせずに地元でひっそりと暮らしていこうとしていた数十年前。
いつも人の目ばかりを気にして過ごしていました。今では必要な時にはカミングアウトし、オープンに過ごしている為、以前よりだいぶ暮らしやすい地元になってきました。
社会を変えるには人権運動も大事だけど、それより個人一人一人のアクションが一番大事だと思います。
身近にいない存在にされない為に私は動きます。