YOKO NAGAI
永井 陽子 (左)
34歳 |
会社員 |
北海道出身 |
レズビアン |
#011 2017年10月撮影
私はずっと世間から隠れて生きてきました。今現在も周りにカミングアウトはしていません。これをもし私の事を知ってる人が見たらビックリするでしょう。
でも、それで私自身は良いと思っています。そう思えたのは彼女の存在があるから。ただ単に好きな人と一緒にいられればいいんじゃない?と思ってただけだった私が、初めて結婚したいと思える人と出会えたから。OUT IN JAPANに出ることで私たちのような人がいるということを知ってもらい、同性婚という選択肢を増やしたいと思い今回参加させて頂きました。
実際、私みたいにLGBTであることを隠している人の方が多いと思います。まだまだ正直生きづらい。こんな人達もいるんですよ!と知ってもらうことで、この先もっと生きやすくなれば良いなと思います。
SATOMI YAHATA
八幡 恵美 (右)
26歳 |
会社員 |
北海道出身 |
パンセクシュアル |
#011 2017年10月撮影
「カミングアウト」
そう聞くと重く感じてしまう人もいるかもしれません。私はそれを「隠すことでもなければあえて言う必要もないこと」だと思っています。私にとってセクシャリティは誕生日や血液型と同じ、私という人間のたった一部分にすぎないからです。
人は考え方も好みも違って当たり前で、全ての考えが多数派と同じという人はいない。セクシャリティに限らず、誰しもマイノリティな部分はある。それでも中には多数派であることが正しく「普通」だと考える人もいる。だからこそ私たちはカミングアウトが自己満足にならないように気をつけなければいけないと思うし、受け入れられない人がいることを受け入れなければならない、とも思います。
なので私はカミングアウトというカミングアウトはしたことがないのかもしれません。しかし私はパートナーとの付き合いは公にしています。
外でも普通に手を繋いで歩きますし、親・きょうだい・社長・数人の友人は同性のパートナーがいることも知っています。男女のカップルと何ら変わりはありません。パートナーが同性であることは後ろめたいことでも隠すようなことでもない。何より私はパートナーを誇りに思っています。
これは個人間のカミングアウトとはまた別で、当事者自身が声をあげていかないときっとこの国は何も変わらないし存在すら認知されない。そう思いこのプロジェクトにも参加させていただきました。
話が前後しますが、同性のパートナーがいると知る親・きょうだい・社長・数人の友人にも、初めて話した時はそれぞれに様々な反応がありました。今では皆良き理解者です。
最初はもちろん驚く人もいましたが、さほど時間を要さず受け入れてくれました。
皆、わたし自身と向き合ってくれた上でセクシャリティという「私の中の一部」を知ろうとしてくれたのだと思います。
どんな環境でも、あなた自身を見てくれる人は必ずいます。
ある人は「それで何かが変わるわけではないしょ?」「幸せならそれでいい」と言いました。
まったくその通りで、カミングアウトで相手に何か起きるわけでもないし、私たちの幸せな毎日(惚気です)は変わらない。
またある人は「そうなんだ~!いいんじゃない?」と。
もし私が性的多数者の立場で、同じようにカミングアウトされても同じ反応をしたと思います。それ以上でもそれ以下でもないのです。冒頭でも述べたように、私にとってセクシャリティは「最高にどうでもいい」、私の中のたった一部分です。
最後になりますが、世間は思ってるより偏見がなく、実は「知らない」だけの人が多いのではと感じます。
何も恐れることはないし、恥じることでもない。
こんな私のメッセージが、次の誰かの希望に少しでもなるようなら嬉しいです!