yuri Igarashi
五十嵐 ゆり
42歳 |
NPO法人職員(団体職員) |
東京都 |
レズビアン |
#005 2015年11月撮影
自分がレズビアンであることを誰かに伝えるのは、
何度カミングアウトしていても、まだ不安がつきまといます。
「自分は変な人間だ」
「こんなこと考えるなんて気持ち悪い」と思っていた中学生の頃は、
それを誰かに伝えることなど、想像もつかないことでした。
なぜ友だちと同じように、男の子を好きになれないのか。
よし。がんばって男の子を好きになろう。
誰か男の子にバレンタインデーのチョコを渡さなくちゃ。
でも心の中を占めるのは、好きな女の子のこと。
自分ではどうにもならない、整理のできない想いで頭がいっぱい。
たまらず母親に「私、女の子が好きみたい」と伝えたのが、人生初めてのカミングアウト。口から心臓が飛び出すんじゃないかというくらい緊張しました。
「気にすることはないよ。私にもわかる」。
母親がそんな風に言ってくれて、心の底から安堵したことを覚えています。
一人でも分かってくれる人がいる。
それがこんなに解放感に包まれるのかと、驚きました。
カミングアウトは個性の一つを伝えることにすぎないかもしれませんが、私にとっては、人間関係を築くスタートラインのようにも感じています。
カミングアウトに、ルールはありません。
必ず伝えなくちゃいけないことでもない、と思っています。
でも、もっと心地よく、素直な気持ちで生きていくために、カミングアウトを選択する、あるいは選択すべき、という時がくるかもしれません。
迷う時はどうか、このサイトに登場する人々のことを思い出してください。
大勢の仲間がいることを、思い出してください。