カミングアウト。そんなものはボクの人生には関係ないことだと思ってた。一生涯、体も戸籍の名前も性別も変わるはずがないと思ってた。

16年前、あることがきっかけで両親にカミングアウトをした。『自分は体は女だけど心は男なんだ！！だから手術して体を変えたいんだ！！』

母は何となく感づいていたようです。直ぐに『体を変えるにはどこの病院に行けばいいのかなぁ？』と言ってくれた。それに対し『お前は頭がおかしいのだから脳を診てもらえ！！』と父は頭ごなしに反対し、ボクの気持ちなど知ろうともしなかった…

そんな父でしたが、ボクが大学病院に通い詰めてSRS(性別適合手術)が決まった時には、大学病院まで一緒に行き『手術同意書』にサインをしてくれました。これからのボクの人生を応援してくれたのです。

今、こうして自分らしく生きていられるのも両親のお陰です。心から感謝しています。

戸籍の名前と性別の変更から12年以上経過しました。自分らしく生きてはいるのだが、何か少し引っ掛かるものがいつも心の隅っこに潜んでいる。手術をして体に傷をたくさん造ったこと、手術をして形成したものが本物ではないこと…何か罪を犯したような気持ちになる時がある。だからと言って『後悔』は全くしていない。でも何だろう？このモヤモヤ感は…？

そんなある日、母がボクにこう言った。『もっと堂々と生きていけばいい』と。母にとっては何気ないひと言だったかもしれない。でもボクにとっては、何か突っ掛かっていたものがス～っと外れたような…そんな感覚だった。このひと言が、今回のOUT IN JAPAN SETOUCHIの参加の決め手になった。

これからカミングアウトをしようと考えているあなたへ…

カミングアウトは恐いけど、わかってくれる人は必ずいます！！ボクもカミングアウトをする前は独りぼっちだと思ってた。でも違ってた。

だから、あなたは独りぼっちではありません。ボクはあなたを応援したい！！応援させてください！！カミングアウトをする勇気、あなたに届け！！