カミングアウトしなくても幸せになれる時代に、あえてカミングアウトする試み。

高校生の時分に、自身の性的指向が周りの友人と異なることに気付きました。大学生で初めて同性と交際し、周りの目を気にしながらもその居心地の良さに夜な夜な心躍らせたことを覚えています。

他方で周りの友人に交際相手について聞かれたとき、偏見を恐れて交際相手が同性であるということを話すことができませんでした。時には異性におきかえて話をしたり、そもそも交際相手はいないと偽ることに罪の意識を感じたりしていました。

やがて二十一歳の春「自分自身に誠実に、交際相手に忠実に、社会に対してより正直になろう」と思い到り、初めてFacebook上で同性の交際相手の存在を告白しました。

カミングアウトが全ての当事者に求められるものではありません。しかし勇気ある誰かのカミングアウトによって、さらに勇気づけられた誰かがカミングアウトする。そうして輪が広がって、誰もが自己肯定できる社会になることを切に願います。