OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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YUKO NAKAMURA

中村 優子

27歳
鍼灸あんま師
大阪府出身
FTX

#016 2018年10月撮影

私はシンガーでダンサーです。
視覚と発達の障害(チャレンジド)を持っていて、日本と台湾のクウォーターです。

10代の時は自分では、私は見えていると感じてました。目で振り付けを耳で歌詞やセリフを誰よりも早く覚えよう。そして出過ぎた杭は打たれないという精神で、目立つことを恐れずに進めば、よいダンサーにシンガーになれると思っていました。

ですが、中学の時に、君には危ないからという理由で学校のダンスの舞台に立てなかったことがありました。
普通の子ではないという烙印を押されたようでショックでした。人から見て普通に見えるよう努力するようになりました。

でも見る聞く話すが適切なところでできないことがあり、バカにされることが重なりました。
学校のテストの点も振るいませんでした。問題児として扱われ、「よくできる」クラスメイトから「早く名前書いて!真面目にして!」と
上から言われることも多かったです。
自信がなくなりました。中性的に見られ、体は女性で心は両方、恋愛は男性だったので、白黒はっきり性別すらも定まらない自分がいやでした。

20歳になった私は自分を変えるため、障碍について正々堂々とカミングアウトしました。でも、今度は逆に白杖を持っていたら「詐欺だ」と言われたり、「甘えだ」と言われて傷つけられた時もありました。
またショッピングで、見た目だけの判断でレディースを見にきた時にメンズコーナーに誘導されることも度々ありました。

一方カミングアウトすることで、よかったこともあります。
一番前の列でダンスレッスンを受けられたこともそのひとつです。覚えられず泣いた時には「覚えることが重要じゃなく右目だけ見えるあなたにしかできない動きや表現が必ずある。」と言われ嬉しかったです。

そんな中で、性についても、中性的であることを活かして、それを魅力にしていけばいいんだと、腹が決まりました。

歌の恩師は
「度胸があって失敗もたくさんして、人と違うっていう自分の軸がぶれへんのがいいところ」と励ましてくれました。
『私にとってカミングアウトはカレーのスパイスのような私の中の一部分だと考えました。』

人はユニークで
一人一人に違うギフト(才能)を与えられています。
私の才能(ギフト)は、様々なマイナスを経験しても、中心の軸にぶれがないようになったことだと思います。

世界中の舞台に向けて、どんなに不器用でも自分の歌・ゴスペルの指揮・ダンスを貫いていきたいと今は腹が決まりました。
観客の人たちが、感動の涙を流し、笑顔で家に帰れるような、そんな舞台を演じたいです。誰かの今日をハッピーにしたいです。
たとえ不安があってもその先の
目の前にカラフルで魅力的な未来が広がっているようで、とても楽しみです!