OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Haruka Iizuka

飯塚 悠

23歳
大学生
東京都出身
バイセクシュアル

#006 2015年12月撮影

13歳のとき初めて女の子のことをすきになった。(同性と)おつきあいのようなことをしたこともあった。けれど、そのあとの10年間でそのことを話せたのは、1人か2人だった。

孤独だと感じていた。「LGBITは社会に一定数いるらしい」と聞いてはいても、身の回りには見つけられなかった。友達の友達にカミングアウトしているひとがいると、すこしまぶしかった。お話ししてみたいなあとも思った。でもどうやって接点を持てばいいのかわからなかった。

Out in Japanに出会って、私ははじめて生身のLGBITのひとびとに出会ったと感じた。ひとりひとりの姿や顔を見ながらメッセージを読むことには、そのひとの人生を追体験するような感覚があった。ほんとうに貴重な体験だった。

この半年くらいで、もう何人かに自分のことを話す機会があったり、また思いがけず身近なひとに”当事者”を見つけることがあった。10年もほぼクローゼットでこの先も誰にも出会わず自分のことも話さないのかなあと思っていたのに、変化は意外な形で急に訪れた。

私のカムアウトはまだまだこれから、ゆっくりと時間をかけてという感じだけれど、すこしずつ(セクシュアリティに限らずいろいろなことについて)嘘をつかずに生きていけるようになりたいなあと思う。

今回自分のことを「バイセクシュアル」と初めて名乗って、ほんの少し違和感を覚えた。横文字のふしぎな名前をつけられて珍しいイキモノになったような気分。そんな区分付けがなくても、「私は女の子も男の子もすきです」と言ってそうなのねー、と普通に受け入れてもらえるような時代が何十年後でもいいから来たらいいなあと、ほのかに期待を抱きながら、私も小さくだけど声を上げてみようと思う。