OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Yosuke Kawano

河野 陽介

29歳
声楽家
茨城県出身
ゲイ

#006 2015年12月撮影

小さい頃から音楽が大好きだった。

セーラームーンが大好きだった。

女の子が好むような、可愛いものが大好きだった。

でも、「男なのにピアノ?」とか「男のくせに少女漫画?」とか、否定されることも少なくなくて。

「おかま」とか「ホモ」なんて酷い言葉も、たびたび浴びせられた。

「芸大なんて行けるわけない。」と、夢を否定されたこともあった。

そう言った人たちの気持ちも、今なら何となく分かる気もする。

女の子ばかりの中に、1人だけなよなよした男の子がいたら…

文化不毛な田舎から、音大の東大みたいなところに行きたいなんていう子がいたら…

周りからすれば、相当変わり者に映っていたのだとさえ思う。

でもね、音楽室の壁に掛けられた作曲家たちは、みんな男なんだよね。

そこには同性愛者だっているし、田舎の生まれの人もいる。

それに、世の中には色んな人がいて、少年漫画が好きな女の子もいるし、男の子が好むようなかっこいいものが好きな女の子だってたくさんいる。

「みんな知らないだけ。」

昔の自分に会えたとしたら、そう言って勇気づけてあげたい。

どんな人も、好きになるものや好きなる人のことで、差別されてはならない。

生まれた場所や見た目のせいで、その人の可能性や未来を奪ってしまうようなことがあってはならない。

そのために、自分や相手が何者であるかを知る=カミングアウトする・されるという選択肢について、みんなが前向きに考えてくれたらいいな。