OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Yuki Taketsugu

武次 佑記

38歳
ライター
東京都出身
ゲイ

#006 2015年12月撮影

物心ついたときからウソをついてきました。

家族や友人、女の子の恋人なんて作ったりして。

そうやってウソに慣れて回りに合わせることがあたり前になっていたのです。

きっとみんなこうやってずっと生きていくんだろうな、ってぼんやり思っていたのですが、

20代半ばに体を壊してしまいました。

お医者さんからは「いつ心臓が止まってもおかしくない」と言われちゃったのです。

なんとか体調は持ち直したけれど、それまでよりも強く「これからのコト」を考え始めました。

より自分らしく生きていたい、そしてこれからもずっと仲良くしていきたいと思う友人たちに、

本当の自分を知ってもらいたいと思ったのです。

幸運なことに僕の友人たちは、「なんだそんなこと」くらいの受け止めかたでした。

「人を殺した」とか言われるのかと思ったよ、と。

きっとそれぞれ葛藤や思いところはあったと思うのですが、意外なほどあっさりと受け入れてくれたのです。

家族の話をすると、一時期同居をしていた実兄にはカミングアウトしました。

「親に心配かけんなよ」と言われました。

両親には話していませんがなんとなくわかっているようで、

セーフセックスを心がけるように強く言われてます。

カミングアウトは、しなくてはいけないことではありません。

現在僕は、5年間やっていたゲイバーを閉め、普通に昼間はノンケとして働いていますが、

最近思うのは、以前と比べるとより自分らしく生きられているなと感じるのです。

自分について知ってもらいたいと思う人にだけ、

僕という人間が何者なのかを理解してもらっていれば、それだけでも十分幸せだったりします。

多様なセクシャリティがあるのと同じで、

それぞれがそれぞれの世界で、それぞれの考えを持って生きているのだと思います。

その中で大切なのは、自分らしさを失わないことなんじゃないか、って僕は思うのです。