OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

Makoto Kasuga

春日 誠

46歳
看護師
北海道出身
ゲイ

#006 2015年12月撮影

“僕が母親にカミングアウトした時、彼女はしばらく目を伏せて「聞きたくなかった」と言った。「ゲイであることは異常ではなく、親の教育が間違っていたわけでもないんだよ」と説明しても彼女の耳には届いていなかった。それから1週間後、テレビで同性愛の人権活動に参加する若者の姿を取り上げたドキュメンタリーを一緒に見て、彼女は「少し楽になった」と言った。
その半年後、カミングアウトされたゲイ、レズビアンの「家族の会」が開かれて、同じような立場の親との交流を通して少しずつ彼女の中から同性愛に対する偏見が取り除かれていったそうだ。それをきっかけに、母は、父や妹、北海道の親戚にも息子がゲイである事実を告げた。また「息子さん彼女いないの?」と聞いてくる彼女の友人にも「私の息子はゲイです」と堂々と言えるようになった。ゲイの息子を持つ母にとってもカミングアウトは本当に勇気のいるものだった。
あれから、20年以上経った。僕の母は今ではレインボーパレードにも一緒に参加してくれて、ゲイ、レズビアンの友人、そうそうドラッグクィーンの衣装を着ている友達とも笑顔で言葉を交わしている。彼女がパレード会場へ来てくれただけでも、もしかしたらつぎの誰かの勇気あるカミングアウトに送るエールになったのかもしれない。 “