TOMONE WATANABE
渡邊 智峰
33歳 |
歌手 |
千葉県出身 |
FTX |
#006 2015年12月撮影
私にとってのカミングアウトは、
本当に長い道のりであり、避けて通れないものでした。同姓を好きになったことをはっきりと意識したのは高校一年生の時で、
当時の私は「マズい、これは同性愛だ」と思い、差別が恐くて誰にも話せませんでした。
それからというもの、好きになるのはいつも女性でしたが、告白すらできなかったのはとても辛かったです。
ましてや両親へのカミングアウトなんて考えたこともなく、「どうにかよっぽど気の合う男性を探して結婚すればカミングアウトしないで済む、その方が楽だ」とさえ思っていました。
仕事で歌を歌い始めた頃、自分を隠して与えられた歌を歌っていることにものすごく違和感を感じました。
カミングアウトしないと、本当の気持ちを歌にして歌うことも、愛する人と結婚することもできない。
「カミングアウトはスタートであり、その後の関係のケアやフォローが大切」そんな当事者の体験談を読んだこともきっかけとなって、私はカミングアウトと向き合うことにしました。
私は今「LGBTAI~その壁を越えて~」という曲を、地元のイベントやLGBT関係のイベントなど場所を問わず歌っています。
カミングアウトできずに苦しんでいた時と今を比べると、カミングアウトすることを選んで本当に良かったと思っています。
最初は理解できなくても受け入れ、応援してくれるようにまでなった両親には感謝してもしきれません。
公の場でのカミングアウトも、最初はとてつもなく緊張したけれど、思っていたよりもずっと人々の反応は暖かいものでした。
カミングアウトする、しないはもちろん個人の自由であり、タイミングなどもあると思います。
でもどんなセクシャリティの人も誰一人として、間違っている人なんていません。
カミングアウトなんて言葉を使わなくても良くなるくらい、多様性が認められ、性別に囚われることなく愛し合う者同士が結ばれることができる、そんな認識の社会になることを心から願っています。
僕らの声が世界を変える。