Nozomi Otsuka
大塚 のぞみ
33歳 |
フローリスト |
大阪府出身 |
パンセクシュアル |
#008 2016年3月撮影
私は宮城に彼女と人生を共にする気持ちを固めて地元大阪を離れ、引越しました。
引っ越した当時カミングアウトはほとんどしておらず
理解してくれる人はほとんどいませんでした。
それでも、そういうものだと思っていました。
当時の私にとってのカミングアウトとは理解してくれそうな人に、少しずつ話す事がカミングアウトでした。
そんな中、約1年後、東日本大震災が起きました。
津波の被害も大きく、命が助かったのは奇跡のようでした。
もし、津波にさらわれていたら?もし、パートナーが行方不明だったら?
避難所での疎外感や、地元に帰らないの?と言う周りの声に、ただ、ただ「帰りません。」
としか言えませんでした。
これが男女の夫婦だったらこうは思わないはずだと思いました。
あの時、彼女の家族が自宅が危ないので私達の家に避難したいと言って、来てくれました。
非常事態にも関わらず知られたらどうすればいいのだろう…と頭を過ぎりました。
隠す事で、本当はできる事も、できなくしてしまっている事がある。
と感じました。
誰にも知られなくても良いと思っていた生活は
気付けば社会的に繋がりも薄い生活で、不自由なんだと感じ
そこから怒涛のカミングアウトがパートナーと共に始まりました。
事実として知ってもらうカミングアウト。
これが新しいカミングアウトの理由になりました。
しなければいけない。とは今も思っていません。でもカミングアウトした事で私の世界は広がって
繋がりは強くなりました。
自分の人生を生きれるようになりました。
オープンにした事で、できる事も増えたと思います。
出来る事が増えるってとても幸せな事です。
色んなカミングアウトの中のひとつの形。誰かの勇気に繋がれば嬉しいです。