OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Tomoaki Saito

齋藤 智明

50歳
特定社会保険労務士
岩手県出身
ゲイ

#008 2016年3月撮影

2013年3月。東日本大震災の後、心身ともに弱っていった母が亡くなりました。その後を追うように同じ年の12月。父も亡くなりました。
両親が亡くなってから9ヶ月大きな出会いがありました。20歳以上も年下の彼女は自分が難聴であることを屈託もなく初めて会うわたしに対し告白してきたのです。このことは半世紀近く生きてきたわたしにとって、とても衝撃的でした。彼女はLGBTに関する調査等の仕事を行っており、LGBTアライとして活躍されています。この彼女との出会いが、コミュニティがカミングアウトのきっかけとなりました。
「だから、おかまはダメなんだ!」高校時代に同級生に投げかけられて以来、どんなに周りから疑われても、ちょっと優しい男の子、青年、おじさんとして、素顔を見せずに自分を隠してきました。当然両親にも。そんな頑なな心を彼女とコミュニティが氷解させたのです。
カミングアウトは人それぞれのタイミングで良いと思います。10代の人もいれば、わたしのように50代間際の人も、もしかしたら一生話さない人も。でもわたしは、彼女とコミュニティのおかげでとても前向きになったことは確かです。
2016年3月20日。母の命日が近いため、両親が眠っているお墓に、翌日レスリー・キーさんに撮影してもらう報告をしました。ただ、「行ってきます!」とだけ。
後日、言葉を投げかけた同級生もゲイであると、別の同級生に聞かされました。言われたわたしも傷つきましたが、言わざるを得なかった彼も相当傷ついていたのではと思います。LGBTの存在があたりまえの世の中だったら、私たちの様に無用に傷つく人達はいなかったと思います。第2第3のわたし達を作らないためにもOUT IN JAPANの活動はとても意義があります。そして、生まれ育った東北の地でレスリー・キーさんに撮影して頂く機会を得たことは何かの意味があるのだと思います。あなたのすぐそばには、あなたを認めてくれる人がいるんだと。