Aoi Yasuda
安田 葵
28歳 |
会社員 |
静岡県出身 |
レズビアン |
#002 2015年8月撮影
司馬遼太郎の『新選組血風録』を読んだ時、私は、「男と女の恋は畜生の恋。男と男の恋こそひとの恋。」という言葉を心に刻み、武士になろうと決心しました。
ジャネット・ウィンターソンの『オレンジだけが果物じゃない』を読んだ時、彼女よりはマシな人生になるかもしれないと思いました。その時私はまだ、自分がレズビアンであることを受け入れられず、悩んでいました。
大好きな小説『ポルノグラフィア』を書いたヴィトルド・ゴンブロヴィッチが、ゲイだと知ったとき、なんだかとっても安心しました。自分の勘の良さを少し褒めていたりもしました。
朝倉かすみの『ほかに誰がいる』を読んだ時、こんな盲目的な恋をしたい。でも私はもうそんなに若くない、と嘆いていました。
ローリー・キングの『捜査官ケイト』を読んではじめて、異性愛者と同じように働き、職場で悩み、家に帰って恋人に癒されるレズビアンの姿を想像しました。
森奈津子の『姫百合たちの放課後』を読んではじめて、”レズビアンらしい何か”を笑うということを知りました。
そして、たくさんの人たちと出会い、お酒を飲み、一緒に泣き、
酔いつぶれた友人を介抱して、くだらないことを何時間も話しながら始発電車を待ち、
みんな、それぞれ違う悩みを抱えながら生きているということを知りました。
私が出会った素敵な人たちのことを、友達や家族に知ってほしい。
私は好きなものを、好き、と言いたい。
それを我慢するのは、とてもつらいことです。