OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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monky takano

モンキー 高野 (左)

44歳
自営業
東京都出身
FTM

#002 2015年8月撮影

自分はトランスジェンダーでからだは女、心は男。小さいときからずっと、男だと思っていた。

何故ならチンコがなくて、不思議だなあと。立ちションしたくても出来ない自分にイライラ。結婚結婚うるさい母に自分は女の子が好き!とカミングアウトしたのが22歳。それから会うたびに説得するが23年たった今も母は「昔は可愛かったのにもったいない!」と不満顔。会うたびパートナーにも嫌味を言う母。先日久しぶりに実家に帰って玄関のドアを開けるとそこに家族写真や自分が小さかった時の写真と共に自分とパートナーが旅先で撮った顔を寄せ合っている写真が大きく引き伸ばされて飾ってあった。それを見たパートナーの嬉しそうな顔。

カミングアウトは苦しみの終わりじゃなくスタートラインに立つと言う事だと教えてくれた人がいました。23年前のカミングアウトがなければ写真を見て嬉しそうな顔をしたパートナーの顔を見る事はなかったんだと思うとカミングアウトして本当に良かった!「OUT IN JAPAN」写真展に参加して再確認!仲間がいるから大丈夫!みんなも1人じゃないよ!

Yumiko Takashima

高島 由美子 (右)

45歳
手話通訳
神奈川県出身
バイセクシュアル

#002 2015年8月撮影

わたしのカミングアウトは16年前。カミングアウトした相手は母親、姉妹、親友。それからその時の結婚相手で16歳から13年間一緒にいた人にでした。今までの結婚生活を終わらせて新たな人生のパートナーと歩き始めるためには必要と考えてのカミングアウトでした。

カミングアウトと言ってもそれぞれの立場から全く意味合いが異なるものですよね。同性しか愛せない人、心と身体の性が違う人、好きになった人がたまたま同性だった人。みんな越えなければならないカミングアウトという壁の高さや厚みはそれぞれなんですよね。ただ幸いな事に今まさにカミングアウトする人やカミングアウトを受けた人にとって、マスメディアで活躍されているLGBT当事者や社会に対して啓蒙、啓発活動をされている団体やその方々のおかげでその壁は1人で乗り越えなければならない時代ではないと言う事です。渋谷区の同性パートナーシップ条例の可決ならびに世田谷区の同性パートナーシップ宣誓書の発行も、乗り越えなければならない壁への大きな足がかりとなって私たちを助けてくれるでしょう。

今回「OUT IN JAPAN」写真展へ参加させて頂いておかげで、16年前に一部の人にだけカミングアウトを済ませタスキを渡したまますっかり役目は終わったとばかりに、後は自然にタスキが回ってゆくだろうと、結果を見ようともしなかった自分に気付く事が出来た事に感謝しています。これを機に大切な人たちともう一度向き合って、16年前のあの時にカミングアウト出来なかった父親と兄弟にも自分の正直な気持ちをもう一度きちんと伝えるつもりです。それが今、日本の中で社会を大きく変貌させようと頑張っているLGBT当事者の一員である自分に出来る最初の一歩だと思います。その力と勇気を与えて下さった今回のこの企画に感謝しつつ自らも誰かにエールを贈れる人になれるように前を向いて歩いていこうと思います。