“一生ひとりで生きていくのだ、墓場まで持っていくのだ”

初恋とともに決意をした小学２年の春から高校１年の夏まで、ボーイッシュな女の子を演じていた。

中学卒業後、大学の女子サッカー部に参加するようになり、そこで出会った先輩達にしたのが初めてのカミングアウトだった。

「いいんだよ、そのまんまで、いいんだよ！」

悩みに悩んで、泣きながら母に話したのはその２年後。

「…やっぱりね。でも、そんなに泣くようなことでもないでしょ！」

そう言った母の方が本当は辛かったのかもしれない。

未だにこわいものだから、相手との関係性や場面によって、しないという選択をすることもある。

人に理解してもらうと同時に、私自身がFtMであるということを強く認識する瞬間だからこそ、カミングアウトしなくて済むのなら、したくないというのも本音だ。

無理にする必要は無いと思う。

でも、ひとりで辛くなるほど悩むのなら、誰かに話した方が絶対に良い。

あなたを大切に思う理解者は、案外近くにいるものだから。

LGBTが広く認知され、カミングアウトの必要がない社会となる日も、そう遠くはないと私は確信している。