今年45歳になりました。人間の歳で言えば。

とにかくいろんなことが大変で。若い時にゃひょいひょいって乗り越えられたことが

そう簡単には解決できなくなったりするから。

今はradioやイベントMC、LIVEなどを中心に仕事をしています。特に意識する事なく、なんとなくゲイって事をオープンにして。

自分が同性愛者という事はハナっからわかっていましたが

【周りを気にせず正直に生きていきたい】と言う感情よりも

【この世知辛い世の中どうしぶとく生きていけばいいのさ！？】

と言う気持の方がデカかった気がします。

母は自分が仕事してるところを見たくてしょうがない人だから、たまに自分のイベントやLIVEに連れて行くんです。

やっぱり親を目の前にしてキャラ全開で

仕事をするのはちょっとためらいもある。

するとね【もっとみんなに楽しんでもらえるように頑張らんけっ！中途半端はあかん！思いっきりいけ！】

とドヤ顔で言ってくるんです。

だけど母の住む家に行って一緒にご飯食べていると

【ひとりはタイヘンやで。飯は？結婚せんのか？】って（笑）

わかったわ、お母さん。

【ウチの子はちゃんと毎日、飯食ってるのかしら？】とか

【将来この子はご飯たべていけるのかしら？】と親に心配させない事がゲイもノンケも関係なく大事な事なんだね。

カミングアウト（coming-out)って近頃日常でもよく使われる言葉だけど、

いったいどういう意味なんだろうと思って辞書を調べてみた。

『公表する事。人に知られたくないことを告白すること』

？　人に知られたく無い事なら公表する必要ないんじゃない？

自分がカミングアウトする相手は『この人には知ってもらいたい』と思う人達だったし、

これからもそう思う人にはためらうことなくカミングアウトして行くと思う。

そして、この人には知られたく無いな、と思う人にはカミングアウトする必要はないと思ってる。

その人がなんらかのきっかけで知る事があるかもしれないが、それはそれで構わないと思っているよ。

父親にカミングアウトしたのは、いろんな意味で自分の人生の節目の時だった。

『今、このタイミングでこの人に伝えとかなきゃ』

二十歳の時に父親には何も告げずに蒸発さながらの状況で大阪を脱出して以来、成人して初めて父親と二人きりで向かい合ったのは、父親が経営する工場の薄暗い一角。

『身体には気をつけるんだよ』

決まり文句かもしれないけど、息子がどんな人間であれ親が子にたいする思いはそこなんだろうな。

孫の顔を見せてあげられなくて申し訳ないけど、親父よりは長生きするよ。