OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Minoru Murayama

村山 穣 (左)

47歳
Webクリエイター
東京都出身
ゲイ

#002 2015年8月撮影

カミングアウトは時に困難な状況をもたらすかもしれません。した相手がカミングアウトを受け入れられず、しかしその人と付き合っていかなければならない場合には大変です。しかし、私の場合、困難があったとしても、カミングアウトをしなければよかったと思ったケースは、一つもありません。

何故ならそれは、自分が自分自身でいることに、揺らぎがないからです。おどおどしていたり、自信がなさそうだったりすると、相手はその感じを敏感に感じ取ります。それをよくないことの後ろめたさだと思うかもしれません。しかし当然ながら、皆、自分自身でいてよいのです。後ろ暗い気持ちで生きるよりも自分の人生に自分で光を当てた方がよい、と私は思っています。

見えないから見なくてもよい存在・見えないので分からず気持ちが落ち着かない存在から、見えて存在の認められる人・見えれば当たり前の自然な存在になることが、カミングアウトです。カミングアウトによって自分自身でいることで得られた誇りは、困難や衝突を補って余りあるものです。誰もその誇りを穢すことはできないからです。

そして、カミングアウトすればするほど、LGBTであることは大切な部分で不可分ではあるけれども人間という存在はそれだけではないと、自分自身も周りの人間も分かっていきます。カミングアウトで、人の多様性だけでなく、一人の人間の多面性をも認識することができるのです。自信を持ってカミングアウトしてください。良き人生を!

Ken Takahashi

髙橋 謙 (右)

34歳
会社役員
東京都出身
ゲイ

#002 2015年8月撮影

もし私がパートナーと出会っていなかったら、私はゲイであることを隠し、そうした話題をのらりくらりとかわして暮らしていったかもしれません。しかし、パートナーを見て、自分自身でいて良いのだと思いました。今では、両親や兄弟親戚、会社の人達にもカミングアウトし、パートナーも紹介して、良い関係を築いています。

カミングアウトしてもいいと思うには、きっかけが必要かもしれません。私の場合、パートナーと一緒に暮らしていて、毎日が楽しく、共に人生を生きるなかで、「これはこんなに素晴らしいことなんだから、自分がハッピーだと周りの人達に知ってほしい」との思いが、カミングアウトのきっかけとなりました。自分が幸福に暮らしているということが分かると、例えば親兄弟は安心します。「奥に何か触れられないモノを持っている、ずっと関わっているのにそのモノが何だか分からない」というヴェールで他人と自分を隔てたままにしておくのではなく、一緒にいる人が何者かを分からせるということは、人付き合いのエッセンシャルな部分ではないかと思います。

パートナーと自分とで、カミングアウトするしないのスタンスが違う場合もあると思います。私は幸いその点が同じでしたが、もし違ったとして も、カミングアウトしたい人は、その気持ちに忠実でいてほしいと思います。自分自身でいることほど気持ちのよいことはありません。一人の人も パートナーのいる人も、そのことに自信を持って生きていきましょう!