OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Rin Okabe

岡部 鈴

51歳
広告業
長崎県出身
MTF

#002 2015年8月撮影

私は3年前まで男性として生きてきました。

しかし、人生の折り返し地点を過ぎると共に心の奥底で押し殺していた想いを抑えきれず、私は決断しました。

「オンナとして生きていこう」と。

私のようなトランスジェンダーにとってカミングアウトは避けて通れない道です。

今までネクタイを締めていた人間が、突然スカートを履く訳ですから、何かを伝えないと周囲は戸惑うでしょう。

だから、私にとってのカミングアウトは行動への第一歩でもありました。

しかし、カミングアウトが必ずしも理解につながる訳ではありません。

身内からは「その思いは墓場までこっそり持って行って欲しかった」と言われ、カミングアウトを後悔したこともありました。

しかし、一度きりの人生、自分らしく生きていきたい。人生に後悔はしたくない。

決壊したダムのように溢れ出るこの想いを止めることができず、それでも私は友人、職場、兄弟、親戚とカミングアウトを続けたのです。

辛いこともありましたが、心を開いた分だけ、自分の中の偏見やコンプレックスも和らいでゆきました。

色んなアドバイスやサポートを受けました。

友達も増えました。

今では、支えてくれた人達のお陰で私は望む性別で社会を生きています。

少数派であること、セクシャルマイノリティであることは決して恥じることではありません。

そもそも「マジョリティな人間」なんてどこにも居ません。

ひとりひとりが誰とも違う個性の塊、マイノリティなのです。

今以上にセクシャルマイノリティが堂々と生きてける世の中に近づけたらいいな。

だから私は墓場に行くまで、これからも胸を張ってカミングアウトを続けていこうと思うのです。

支えてくれたみんなの為に。

これから自分らしく生きていこうとするひとたちの為に。

今は無理でも、最後にはいつか本当の私を理解してくれるひとの為に。

カミングアウト、それは信じること。