Takashi Tagawa
田川 貴詞
32歳 |
会社員 |
愛知県出身 |
ゲイ |
#002 2015年8月撮影
「悩み」のカミングアウト。
「個性」のカミングアウト。
よくよく考えてみれば、
セクシャリティというものは「個性」の1つでしかない。それ以上でもそれ以下でもない。どんな人を好きかっていうのは、
得意なスポーツが何だとか、何色が好みだとか、よく聴く音楽が何だとか。
そんな程度のこと。
なのに、なぜだか、いつも、とても悩ましい。
自分が初めてカミングアウトをした時は「悩み」のカミングアウトだった。その時に受け止めてくれた友達には本当に感謝している。何を伝えたいのか分からなくなってしどろもどろだったのに、自分を理解しようと一生懸命向き合ってくれた。
その後、近しい人にはカミングアウトをしていったが、幸いにも自分の友達はキャパシティの大きい人たちばかりで、カミングアウトするたびに、本当にあたたかく受け止めてもらえた。そのおかげで、自分のカミングアウトは徐々に変わっていった。
マイノリティではない人たちのおかげでマイノリティであることは「個性」であって「悩み」ではないことを、心底理解したのだった。
それからというもの、セクシャリティに対し考えることはあっても悩むことはほぼなくなり、自分のカミングアウトはセクシャリティという「個性」のカミングアウトとなった。
カミングアウトをするかしないかは、どちらの選択も尊重されるべきだ。
ただ、せっかくなら「悩み」のカミングアウトよりも「個性」のカミングアウトであれと思う。だって、セクシャリティは「個性」の1つ、あなたを知る手がかりの1つなのだから。
しかも、それができる環境は先人たちの手によって、驚くほど整ってきている。さらに、自分たちにはそれをさらに浸透させていく使命がある。