自分のセクシュアリティをカミングアウトする前、周囲はいろいろと言って反対した。

「黙って闘うこともできる」とか、「牧師になってから言えばいい」とか私の将来を悲観してそう助言した人も少なくなかった。最愛のパートナーは、職場でゲイではないかと疑われ、執拗に問われた経験を持つことから、最後まで首を縦に振らなかったが、私はいつも先を見ていた。

「100年後のLGBTが生きやすい世界になったらそれでいい………」。

私がそういった時、彼はようやく同意した。

今、100年後と言わず、驚くべきスピードでLGBTをはじめとする性的マイノリティのことが取り沙汰されるようになった。私はこの眼でその変貌を見据えながらも、もっとたくさんの人の力が必要であることを痛感している。

もし今カミングアウトを考えていたり、ためらっていたりしたならば、ぜひあなたというひとりの力を分かち合ってほしい。他の誰かの笑顔のためにも、ぜひ私たちと手を取り合ってほしい。そして一緒にこの橋を渡って行きたい。