Katsuhide Yamago
山後 勝英
40歳 |
TV番組プロデューサー |
東京都 |
ゲイ |
#004 2015年11月撮影
はじめてカミングアウトしたのは大学の友人たち。たしか28、29歳だったと思う。
ありったけの勇気をふりしぼったのに「いまさらなに?」「あ~やっぱりね」とバレバレだった。
僕の会社はもっとすごくて「はじめからわかっていたよ」と豪語する上司もいた。まあPCの壁紙が裸の男なのでバレない方がおかしい。好きな歌姫を壁紙にした時は騒動になったくらいだ。
「山後が女の写真を上げている!」
どんな会社だ。
職業柄、女優さんとお仕事をご一緒するのだが、とある方はつかつかと近寄ってきたかと思うと、いきなり「山後さんて、そっちの人なんでしょ」ふふふと笑った。
わざわざカミングアウトしなくてもわかる人にはわかるし、ちゃんとひとりの人間として接してくれる。
僕も怖がって、人にはなかなか言えなかった口だけど、これまでの経験で学んだことがある。
「人としてきちんとしていれば、なんとかなる」だ。
とはいっても、最大の難関はやっぱり親である。僕は経済的にも自立しているし、絶縁されてもひとりで生きていけるからいいやと思えたからこそできた。それほど親の障壁は高い。
面と向かって言う勇気がなかったので、メールで告白した。返事はすぐに来た。
「びっくりしました。でも英がしあわせならそれでいいよ」母の精一杯の言葉だった。
救われた。号泣した。
自分勝手なカミングアウトだったかも知れないけど、ようやく人生のスタートラインに立てたと思えた。33歳だった。
僕にとってカミングアウトとは、ゲイである自分を受け入れて、ゲイとして生きていくと腹を括ることだった。好きな人たちに嘘をつき続けるのと、自分に嘘をつき続けるのに、もううんざりしていた。
いまは堂々と胸を張って生きている。「ゲイだけど、なにか?」と笑い飛ばせる。
すべての人がカミングアウトできるとは限らないけど、少しでも多くの人がカミングアウトを通じて、自分らしい人生を送れるようにと願っています。