OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Yasushi Tanaka

田中 康志

39歳
会社員
愛知県
ゲイ

#004 2015年11月撮影

かつてのApple社のキャンペーンに、こんなメッセージがありました。

「自分が世界を変えられると信じる人たちこそが、本当に世界を変えてきた」 -規則を嫌い、現状を肯定しない天才たちを、人々はクレイジーと呼び、反逆者、厄介者のレッテルを貼りつつも、誰も無視することができなかった―

もちろんこのCMに登場したジョン・レノンやマハトマ・ガンディーとは違って、僕みたいな「どこにでもいるようなありふれた平凡なサラリーマン」には、たった1人で世界を変えられる力なんてありそうもありません。

けれど、こうしてこの場でたくさんの仲間と一緒に、「目に見える存在」になることで、少なくとも「無視できない存在」にはなることが出来ると確信しています。その大きなものの一部に、僕はなりたいと思いました。

日本でもLGBTという言葉が当たり前のようにメディアに登場するようになり、企業や行政も真剣に向き合う兆しが見えてきました。一方で、当然だと思っていた考え方や価値観の変容を迫られ、困惑して揶揄する人や批判する人も現れてきました。

まさに今、日本社会は変化の始点に立った時であり、様々な声が上がるのは自然なことだと思います。ただし、たとえ揺り戻しや逆風に直面したとしても、僕たち当事者自身が「変えられる」と信じていなければ、固まった常識や通念のようなものは崩れていかないはずです。

LGBTに限らず、周囲には「自分とは違う人」がいることが当たり前で、誰も勇気を振り絞ってカミングアウトなんてしなくても、全ての人が自分らしく自然に生きていくことを受容し合える。そういう時が日本にも必ずやって来ると、僕は信じています。

今はまだ少しの覚悟や決意が必要な世の中ですが、こうしてお互いに背中をやさしく押し合っていけば、きっとそこには。