OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Hiroshi Ikeda

池田 宏

56歳
自営業
兵庫県
ゲイ

#004 2015年11月撮影

私が思春期の頃、ゲイのイメージは、カルーセル真紀さん、オカマバーのある新宿二丁目という感じで、自分の将来を描くにはしっくり来るものではありませんでした。そこへ1980年代には、欧米では一般の職業を持つ人々が、同性カップルで暮らしていることが報道され始め、私は将来のロールモデルとして、そのイメージを抱くようになります。日本にもカップルとして暮らしていたLGBTが既にいらしたわけですが、その方たちがひっそりと生きざるを得なかったのも、当時の現実でした。

 日本の企業社会の中でカムアウトは不可能と感じ、その息苦しさから逃れたいと、私の人生設計は、出会ったニュージーランド人パートナーとNZでの生活を築くことに向かって行きました。写真では一人ですが、このパートナーとは家庭を築いて20年を越えます。このプロセス全体が、私にとってのカミングアウトです。親を始めとして社会に、自信を持って家族として暮らしている自分たちを認知してもらいたいと、慎重に、しかし堂々とやってきたのです。

 今、世界も日本も大きく変化して、日本のLGBTも、自分らしい将来イメージを抱けるようになりました。自分たちの存在を周囲に認知してもらい、職業人・家族としての将来を描けるようになって来ています。

 まだまだ、カムアウトなんて無理と感じるLGBTが沢山いて、状況もひとりひとり違います。でも、カムアウトした結果周囲の人と「気まずく」なるだけなのを、「無理」だと考えていませんか?あなたが、きちんと仕事や責任を果たしていれば、皆さんが思っているより、受け入れてくれる人々は多いです。

 「気まずい」のと「善悪」は、違います。カムアウトした結果、あなたが幸せになれるなら、周囲の人々も、あなたを徐々に受け入れてくれることが多いと信じます。私と仲間は、そんな当事者を後押しする、国レベルでの法律を作ってもらう活動をしています。皆さんも、自分で状況を変えて、幸せになりませんか?