Nanako Ikuta
生田 奈々子
29歳 |
会社員 |
東京都 |
レズビアン |
#004 2015年11月撮影
思い返せば、好きな人は幼い頃からいつも、女の子でした。
まだその頃は、それが恋だなんて思いもしませんでした。
10代。
女の子へのドキドキが恋かもしれないと思った私は
クラスで飛び交う誰かに向けられた差別的な言葉や、家族が放つテレビの中の同性愛者に対する嫌悪の言葉が、紛れもなく次は自分に向けられる言葉だと怯えていました。
自分にも周りにも嘘をつき、現実から目をそらし続け、誰にも心を開けず、生きる気力を失っていました。
20代。
人生で初めてレズビアンの友人が出来ました。
様々なセクシュアリティの大人たちに出会いました。
いくつかの、恋をしました。
友人と『恋バナ』というものを初めてしました。
クラスメイトがどうして恋愛に夢中になっていたのか、やっと理解できました。
ありのままを受け入れて生きるには、長い時間と覚悟が必要でした。
離れていった人もいました。誤解を受けたこともありました。
変わらずそばにいてくれる、仲間の愛に気がつきました。
もうすぐ30代。
私は、普通の会社員です。生きる気力に溢れています。
カミングアウトは私にとって、『あなたを信頼したい・誠実に関わりたい』の意思表示。
これを見て驚いたあなた。あなたに知って欲しくて、私はここにいます。
本当はあなたを愛したい。あなたの愛も受け取りたい。
好きなものを好きと言える。
それだけで世界は大きく広がり、たくさんの彩りに溢れていることに気づきます。
私たちの勇気を、次のあなたへ。生きる希望となりますように。