Noriko Fujita
藤田 規子
46歳 |
学生・セラピスト |
新潟県 |
バイセクシュアル |
#004 2015年11月撮影
わたしにとってのカムアウトは、自分自身へ、パートナーへ、友人へ、親へ、人間の社会へ、そして神、宇宙へと、何ステップもの段階がありました。
子どもの頃から、なぜ男女に分かれていて、恋愛や結婚というものがあるのかまったく理解不能で、成長して女性とお付き合いするようになっても、性のありかたと肉体を纏うことの耐え難い嫌悪感に混乱し、自己認識が結びつかないままでした。
長い間、何かが欠落しているような後ろめたさ、影を引きずり続け、親や社会へのカムアウトを果たしても、その闇は変わらなかったのです。
最大の難関は、神へ向き合うことでした。
創造の神秘を前にするとき、Human Rightsは、たとえそれが多くのセクシュアル・マイノリティの活動で勝ち得てきた大切な人権であったとしても、わたしには色褪せて見えました。
陰陽に二分され物質化した世界で、男女性のバランスが崩れたわたしの存在がまちがっているのか、その存在を創った神が間違っているのか。
なぜ天が父で、地が母なのか。
その間に生まれる人はなぜグラデーションで、産む者と産まざる者がいるのか、
小さな自我意識から宇宙意識へと目覚めていくプロセスで、わたしはプロテスタント教会の場を借りて、宇宙法則との葛藤を経験していきました。
二年前のミカエル祭、わたしの洗礼の証は、同性愛を罪とする教会でのカムアウトでした。
参列した当時のパートナーは、「針のむしろのようだった」と言っていました。
葛藤をくぐり抜け、今わたしがいる地点は、「ルールを破るのは楽しい」というシンプルな遊び心です。
校則であろうと、世間の常識であろうと、聖書であろうと、陰陽の法則であろうと、人生は制限を外していくゲーム。
掟の門を閉じているのは、自分の思い込みにすぎない。
セクシュアリティに囚われなくていい。
わたしたちは超えていけるんだ。すべてを。
2016年はボーイフレンドが増えるといいなあ。