Rikiya Kato
加藤 力也
47歳 |
NPO法人スタッフ(HIV支援事業) |
北海道 |
ゲイ |
#004 2015年11月撮影
物心付いた時には、既に自分にはゲイという自覚がありました。
周りの友人とは違う自分。
周囲に知られない方がいいのだろうという勘は働き、本当の自分を見せない癖が付きました。
やんちゃな従兄弟と比較して、男らしくないと叱りつける両親。
コンプレックスに苛まれ、誰にも本当の気持ちを明かさない孤独な子供時代を過ごしました。
ゲイ雑誌との出会い、初めてのお付き合い、ゲイ・サークルへの参加、ゲイバーデビュー。
10代の終わりから20代の始めは、どんどん世界が広がる毎日でした。
そのままの自分を受け入れてくれる環境に夢中になっていました。
1994年からゲイ・パレードに参加し始め、ゲイ・ライフの広がりは加速。
そして20代の終わりに、両親にカミングアウトしました。
卒倒する母、罵声を浴びせる父。
想像はしていたものの、拒絶する両親にひどく憤りを感じたし、悲しかったのを覚えています。
その後数年掛けて関係は修復し、今ではセクシュアリティについて話題に上ることもありませんが、穏やかな親子関係が続いています。
カミングアウトは言えば済むというものではありません。
言い方、場所、タイミング。
時間帯、お腹が空いているか、頭痛はしないか。
話すのに最適と思う環境を探すのは大切。
でも、他にももっと考えなければいけないことも。
なぜ相手にカミングアウトするのか、したいのか、する必要があるのか。
行動する前にひと呼吸置いて、もう一度考えてみるのもいいかも知れません。
その場の感情に流されて後悔するのは、自分自身だけではないのだから。
ゲイであることは、自分にとっては極自然なこと。
自慢するようなことではないけれど、自分は自分のセクシュアリティに誇りを持っています。
自分らしく生きることって素敵。
そのためのカミングアウトであって欲しいと思います。