自分で自分を認めるまでに、まず時間がかかった。
僕が小さい頃はインターネットもなく、情報もほとんどなく、自分が一体何者なのか、自分自身が一番わからなかった。
自分はおかしいのか、本当の自分をだせば、周りから疎外され、大切な人達が離れていくのではないかと、本当の自分を隠して生きてた。
僕はFTM、身体が女性であることは自分自身が一番わかっていたけど、小さい頃から自分は男だと思っていた。
この事は誰にも話しちゃいけない、自分がおかしいんだ…と。
けれど、ずっと自分に嘘をついて生きるのはムリがあった。
耐えられなかった。
そんな状態で親にカミングアウト、自分でもわからないことを、人にわかってもらうのは難しい。
10年かかった…。
その10年の間、沢山の人に支えられながら少しずつまわりにカミングアウトし、今僕は男として生きている。
FTMであることを、積極的に話す訳ではないが、隠してはいない。
ありがたいことに、今の僕のまわりには理解ある人が沢山集まってくれている。
本当の自分を偽らずに、人と接することができるのは、本当に嬉しい。
カミングアウトをしなければ、こんな毎日が送れるようにはならなかったと思う。
必ずしも、みんながカミングアウトしたほうが良いとは言えないけれど、僕はカミングアウトして良かったと思っている。