OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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Tomato Hatakeno

畑野 とまと (左)

50歳
ライター
神奈川県
トランス女性 で バイセクシャル 

#002 2015年8月撮影

トランスジェンダーであることはカムアウトが常に発生するということでもあります。カムアウトを続ける人生に嫌悪を感じ、ステルス(埋没)という選択を望む当事者も少なくありません。でも、トランスする人生を選ぶと自分の生い立ちを知っている両親、古い知人、友人など、それらへのカムアウトを避けられず、もしそれを避けるのであれば過去を捨てて生きるという悲しい選択をする必要があります。

私がトランスしたのはまだ性同一性障害など専門家と称する医師ですら殆ど知識が無かった時代です。そしてトランスする以前は当然長いクローゼットな期間がありました。当初、クローゼットだった私は、トランスして生活するという未来を描けずにいました。でも、そんな私がクローゼットから出てトランスしようと思えたのは、先にトランスして生活していたニューハーフの姉さんたちに知り合えたことからです。

ニューハーフという生き方はトランスであることを全面に出しています。この生き方を『男であることを売りにしている、ありえない』と批判する人もいますが、少なくとも私はそうやって生きている人達によってトランスしても生きていけるということを知ることが出来、トランスすることを決断できたのです。

今の社会でカムアウトするということは、差別の矢面に立つというリスクがあります。でも、トランスして生きる人がいると知って貰える、また、1つのロールモデルとして次の世代にも繋がっていくことだと思っています。

パートナーと共に20年余り、トランスジェンダーという言葉を冠に歩んできました。この長い時間により、多くの味方もずいぶん増えました。私と言う生き方はあまり参考にもならないとは思うけど、私みたいな者でもトランスして生きていると知って貰えたら幸いです。

Putitomato Hatakeno

畑野 ぷちとまと (右)

48歳
ライター
東京都出身
トランス女性 で バイセクシャル 

#002 2015年8月撮影

カミングアウト・・・

その人にとって必要ならすればいいし、必要がなければしなくてもいい。

カミングアウトと言う行為は、絶対に必要な事とはいえないと思います。しかし、トランスジェンダーと言う生き方を選んだ場合には、仕事や日常生活の中で必要がでてくる場合があります。まぁ、いろいろ難しく考える人もいるとは思いますが、人間が生きていくのに時と場合に応じていろいろな選択をしていく中の1つですね。はっきり言って「今月の生活費どうしよう」の方が生きる上で大切な事。そう言うふうに考えると特に優先しなければいけない事はないと思います。

私の体験ですが、高校時代の友人達と、高校卒業後にも仲良く遊んでいまして、で、実家をでて完全にトランスして暮らし始める時に、私はこう言う人なんでってカムアウトしました。まぁ、ご多分に漏れずに友人達はびっくりしていたんですが・・・みんな、カムアウト前と、私にたいする態度や言動などなど何も変わらずにいました。

ある時、ふと気になったので聞いてみたんですが、友人達全員が「だって、そう言うこと聞いたら普通ビックリするものでしょ? だから、とりあえずビックリしておいた。ほんとは、べつにビックリしてなかったんだよね、そう言うものかな・・・って思っただけで(^^;;」と・・・まぁ、人によって言葉は微妙にちがってますが。

今のパートナーと一緒に暮らして20年くらいになりますが、私の親にはカミングアウトしてなかったんですが、ちょっと家族のなかで事件があってなし崩しにカムアウトした感じになって・・・でも、その事件の方が強烈だったので、その後はもう、そう言うものだ・・・と(^^;; で、お互いの親公認になって、生活してます。

まぁ、めぐまれているのかなっと・・・

最後に、プライベートでのカムアウトは、カムアウトする本人と周囲の人との関係が良ければ特に問題なくすんでしまうと思います。逆に、そもそも関係が悪かったり、表面上の外面だけのつきあいだったりすると、いろいろ問題が出てくるでしょう。

なので、まずは親や友人といい関係を築いておくといいでしょう。