OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

Ayaka Shimura

志村 彩花

26歳
介護福祉士
長崎県出身
FTX・パンセクシュアル

#003 2015年10月撮影

私にとってカミングアウトは愛情表現。
私は2度両親へカミングアウトしている。
1度目は高校生の時。初めて彼女が出来て、嬉しくていつもよりケータイに噛り付いてメールをしていたら、ケータイを覗かれた。そこで、彼女がいることがバレる。その時は毎日喧嘩喧嘩の嵐。両親と喧嘩していることが苦しく、私はとうとう心が折れ、気のせいだということにして彼女と別れた。
それからも、パンセクシュアルの私は性別に関係なく色んな人とお付き合いをした。もちろん親には内緒で。
恋愛だけでなく自分の性自認についても強い悩みを抱えていた。女扱いされることに強い拒否があり、性同一性障害ではないかと思っていた時期もある。
でも、男ではない。女でもない。
どう生きたいのか、その答えを探して出てきた答えは、自分を何かにカテゴライズしないこと。
答えが出てきてから、ふと両親へ話したいと思った。
大好きな両親に、私を知って欲しかった。
大好きだからこそ、伝えたかった。
素直に、愛情を伝えた。両親が大好きであること。大好きだから、大好きな人には知っておいて欲しいこと。それから、自分の性自認が女でも男でもないことや、性指向が性別にとらわれないパンセクシュアルである話をした。
母は真剣に話を聞き、たくさんの質問をしてきた。心無い言葉も少しは言われたが、自分のカミングアウトの動機は、愛情意外になかったから、喧嘩になることもなかった。そして最後に母が言った言葉
「私はこんなに、個性的な子供を持てたことを誇りに思う」
高校生のとき、反対されたことに腹を立て、怒りをぶつけてカミングアウトした時の自分にビンタしてやりたいと、今は思う。
セクシュアルマイノリティーであることは、もちろん罪ではない。当事者にとってはごくごく普通のこと。でも、自分があなたに伝えたいと思うのはなぜか。
伝えられた当人にとって、どうして自分に話そうと思ったかという理由はとても大きなことだ。
あなたが大好きだから。あなたとずっと親しくいたいから。あなたを心から信頼しているから。
その思いを伝えずして、自分の事を解ってとは言えない。
今は、職場や友達にも自分のセクシュアリティをオープンに生活している。
いつも心に決めていることは、どんなに理解されなくても相手を大切に扱い続けること。
いつもあたたかい気持ちで話すこと、これを心に持ち続ければ、少しだけあなたの周りも楽にあなたと一緒に歩けるかもしれない。