OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
main-image

Tsubasa Kaji

加地 翼

21歳
無職
大阪府出身
FTM

#003 2015年10月撮影

僕にとってのカミングアウトは

2の時に付き合っていた彼女とのメールを母に見られたことがキッカケでした。

そういう最悪なキッカケだったので怒りながらのカミングアウトになってしまいましたが、やっぱり母は「気持ち悪い!」の一点張りでした。

そうかぁ、僕はやっぱり病気なんや。

そう言って塞ぎ込みました。

僕にとってたった1人の母親に否定されるのは1番悲しかった。

だけどそれからしばらく経って母の部屋に入ったら、性同一性障害の本が一冊、また一冊と増えていってることに気づき、その本を手にとって僕がコッソリ読むくらいでした。

そうやって静かに時間だけが経っていったと思います。

母は僕のカミングアウトを無かったことにしたかったかもしれない。

でも僕は自分に嘘ついて生きていくことなんて出来ない。

それは母が1番分かっていたと思います。

そして母はLGBT講演会に参加してLGBTの人たちと関わるようになり、気がついたら僕よりたくさんのLGBTの友達が出来ていました。

それに比べて僕は塞ぎ込んでいていつも家に引きこもっていました。

でも母が無理やりLGBT講演会に連れて行ってくれて僕はだんだん心を開くようになりました。

自分に嘘はつきたくない。

そう思ってカミングアウトして就職した会社では奇異の目を浴び、上手くいかずとても居心地の悪い場所でした。

そのストレスで病気になってしまって、会社を続けることもできず辞めました。

でも周りはいつも支えてくれている。

だから僕はまた頑張れる。

カミングアウトは素敵な事だけど、自分が傷つくこともたくさんあります。

でも僕はカミングアウトなんかしなきゃよかったなんて一度も思った事はありません。

自分らしく生きる事の何が悪い?

そうやって胸を張って生きていこう。

この国がLGBTにとってもっと生きやすい世界になりますように。

僕の笑顔が次の誰かの勇気になりますように。