OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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MAKI MURAKI

村木 真紀

40歳
特定非営利活動法人虹色ダイバーシティ代表
茨城県出身
レズビアン

#003 2015年10月撮影

18歳で「そうなのかな」と気付いて、20歳で学生寮の先輩にカミングアウトし、徐々に周囲の友人にも伝えて、28歳で両親に。否定的な反応はありませんでした。そんな私でも、職場ではなかなか言えず、初めて同僚にカミングアウトしたのは37歳。転職を繰り返して、5社目の職場でした。

その同僚は向かいの席の女性で、夫が東アジア出身。職場の懇親会で、「結婚前に両親に紹介したら、「あなた、騙されてるんじゃない?」って大反対されたんですよ」と話していたのが耳に残りました。それは私のパートナーが、私と付き合うにあたって両親から言われたという言葉と同じだったからです。この人なら分かってくれるかも。

同僚をランチに誘って、「実は、付き合っている人がいるんですけど、えーと、それが、女性なんですよね」と緊張でやや涙目になりつつ、モゴモゴとカミングアウト。「えー!そうなんですか!ええー!私、実は大親友がゲイなんですよー!」と、突然の大盛り上がりになりました。

それだけのことでしたが、翌日から会社に行くのが少し楽になりました。気づいたらフッと肩凝りが消えているような、そんな感覚です。いつも忙しいふりをしてデスクで一人で食べていたランチを、時折、その同僚を誘って外に食べに行くようになりました。自分がそんなに職場で緊張していたなんて、カミングアウトしなかったら気付きませんでした。

今は、自分自身が職場で苦労してきた経験を活かして、LGBTが働きやすい職場をつくるNPOを運営しています。思いきり、フルパワーで働けるって、気持ちいい。カミングアウトしても、しなくても、気持ちよく働ける場所を増やしていきたいと思います。