OUT IN JAPAN

あなたの輝く姿が、つぎの誰かの勇気となる。
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yosuke kuniyoshi

國吉 陽介

39歳
会社員/手話通訳
沖縄県出身
ゲイ

#003 2015年10月撮影

カミングアウトをすることが大切なのではなく、自分らしく生きることが大切だと思う。

私は左利きだが、子供のころ右利きに矯正された経験がある。

当時は「不便だから」「間違っているから」と、みんなと同じ右利きに変更させられた。

今、世の中からこの感覚はなくなり、「左利き」であることが羨ましいとまで言われるようにもなった。

20代、彼女はいてもどこか違和感を抱えていた自分。

30代、仕事や社会生活に支障をきたすことを避けるため、心に蓋をして築き上げた人間関係。

40代を目前に今はっきりと言えることは、過去に不幸だと感じていたのはLGBTである自分自身に対してではなく、差別による自己嫌悪と社会からの蔑視の怖れからだったということ。

大切なのは自己肯定だということ。

美輪明宏さんは、「ゲイであることを家族に責められて自殺した知人の死に顔を見たとき、(セクシャルマイノリティを非難する世の中と)戦わなければいけないと思った」として、差別や偏見をなくすため人が人を愛することの尊さを説いているそうだ。

LGBT20人に1人と言われ、障害者や左利き、AB型の割合とさほど変わらない。

つまり、あなたのまわりにも必ずいる存在。

全ての人に理解を求めるのは難しいことかもしれないが、心の性別は色のように無限にあると思う。

私の自己肯定はたくさんの素敵な友人たちに巡り合えた結果であり、とても感謝している。

できることは少ないがマイノリティ当事者のひとりとして、自分らしく生きたい誰かのお手伝いができれば嬉しい。

今回の”OUT IN JAPAN”への参加はその第一歩である。

人は誰もが、自分らしくいられる場所、友人、パートナーは必要だと思う。

皆さんの第一歩が、そこへ繋がることを信じている。